重賞ウィナーレポート

2017年04月15日 アンタレスS G3

2017年04月15日 阪神競馬場 晴 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:モルトベーネ

プロフィール

生年月日
2012年03月24日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:25戦7勝
総収得賞金
192,300,000円
ディープスカイ
母 (母父)
ノーブルエターナル  by  アフリート(CAN)
馬主
三宅 正義
生産者
櫛桁牧場 (荻伏)
調教師
松永 昌博
騎手
M.デムーロ
  • 浦河町議員でもある櫛桁代表
    浦河町議員でもある櫛桁代表
  • 重賞馬の記念写真が並ぶ
    重賞馬の記念写真が並ぶ
  • 現在、繋養されている繁殖牝馬は3頭
    現在、繋養されている繁殖牝馬は3頭
  • 創業は昭和30年という歴史のある牧場
    創業は昭和30年という歴史のある牧場

 1955年に創業した浦河・櫛桁牧場。これまでに01年のユニコーンS(G3)を制したナスダックパワーといった活躍馬を送り出しているが、モルトベーネのアンタレスS(G3)勝利は、その時以来、実に16年ぶりの中央重賞勝利となった。

 「ナスダックパワーの時もそうですが、今回も競馬場まで応援に行けませんでした。祝勝会に来てくれた方からもそれを揶揄されて、『応援に行かない方が勝てるんだ』と話した程です」と笑顔を見せるのは櫛桁秀男代表。現在は3頭の繁殖牝馬と、十数年程前から飼養を始めた肉牛を、妻の琢子さんと二人で養っているが、それだけになかなか牧場を離れることが難しいという。

 「それでも町内に息子が住んでいるので、留守番を任せて、1番人気を集めた前走の名古屋大賞典(Jpn3)は夫婦で見に行ったのですが、4着に負けてしまいましたからね。今回は三宅オーナーも応援に行かれて無かったらしく、レース後、電話がかかってきてそれを知りました」(櫛桁代表)

 言わば無欲の勝利とも言える、このアンタレスS(G3)優勝だが、それまでにも東海S(G2)では12番人気の低評価を覆して2着に入るなど、重賞級の力は証明し続けていた。

 「ただ、1番人気に支持されながら9着に破れたジュライCの後に、鞍上の武豊騎手が、『コーナーで曲がってくれなかった』とも話していたように、ムラがけする印象もあったのは事実でした。それでも今回の手綱を取ってくれたデムーロ騎手は、これまでの成績(4戦3勝)が証明するように手が合うのでしょうね」(櫛桁代表)

 母ノーブルエターナルは既に牧場を離れているが、優れた産駒実績を残しており、モルトベーネもHBAの主催するセレクションセールで1,575万円(税込)という高い評価を与えられていた。

 「母は小柄な馬ながら、配合種牡馬の馬体を産駒に伝える傾向があったので、馬格に恵まれたディープスカイを配合相手に選びました。幼少時からあか抜けた印象があり、動きにも素軽さがありました」(櫛桁代表)

 ナスダックパワーは重賞を制し、これからの飛躍が期待された矢先に故障で長期休養を余儀なくされてしまったが、モルトベーネはまだ5歳。これから更なる飛躍も期待される。

 「できることなら、次の重賞勝利は夫婦で口取りに立ってみたいですね」と話す櫛桁代表。本格化した今のモルトベーネなら、嫌なジンクスも吹き飛ばすような快勝を、二人の前で見せてくれるに違いない。