2017年04月22日 福島牝馬S G3
優勝馬:ウキヨノカゼ
プロフィール
- 生年月日
- 2010年03月30日 07歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦5勝
- 総収得賞金
- 183,205,000円
- 馬主
- 國分 純
- 生産者
- ファニーフレンズファーム (門別)
- 調教師
- 菊沢 隆徳
- 騎手
- 吉田 隼人
4月22日福島競馬場で行われた第14回福島牝馬ステークス(G3)は、3番人気ウキヨノカゼが直線大外から追い込んで、先に抜け出したフロンテアクイーンをゴール寸前で捉えて優勝。ヴィクトリアマイル(G1)の優先出走権を獲得した。ウキヨノカゼは、父オンファイア、母アドマイヤダッシュ、母の父フサイチコンコルドという血統で日高町ファニーフレンズファームの生産馬。2013年クイーンC(G3)、2015年キーンランドC(G3)に次いで重賞3勝目を飾った。
母アドマイヤダッシュが繋養されているスマイルファームの代表、中村広樹さんは「レースは牧場で応援していました。後ろから来ると思っていましたが、前めにつける競馬もありましたので初めて騎乗する吉田隼人騎手がどう乗るのか楽しみでしたし、おそらく負けないであろうと思ってみていました。4コーナーを周った辺りは心配しましたが、残り100メートルに来た時には勝てる!と思いました。勝った瞬間は本当に嬉しかったですし、オーナーや関係者の皆さんが競馬場で勝利を喜び盛り上がっている場面を想像して嬉しく楽しい気持ちになりました。」と楽しそうに話す。
ウキヨノカゼが牧場から後期育成牧場へ行くまでの中期育成期に携わった中村さんは当時を振り返って「力は強かったですが手がかからず悪い事もしない馬でした。今は、レース前にかなりイレ込むという話を聞きましたが、そのようなところは特別ありませんでした。ただ、そういう部分は母アドマイヤダッシュに似た所なのかなと感じます。気持の切り替えがレースに活かされているのかも知れません。この馬が本当に変わったのは、育成所に行ってからなので、遅咲き、晩成型の傾向なのかなと感じました。弱いところもありましたが、オーナーや調教師さんに大事にされているのでウキヨノカゼがそれに応えているように思います。関わっている人と人がとても仲良く繋がっている、幸せな馬なのです。」
「オンファイアとの配合はオーナーのこだわりですのでこの先も続くのではないでしょうか。オンファイアを繋養しているクラウンホースメイト代表の箕輪さんも種牡馬を盛り上げようという気持ちを持っているので、この部分でも関わる人がみんな一体となっている感じがします。産駒はしなやかで柔らかい印象の仔が多いです。今年生まれた全弟の当歳も期待が持てますよ。」放牧地にはまだあどけない表情の仔馬が母馬の後を追ったり、青草を食んだり、楽しそうに跳ね回っていた。
中村さんに生産牧場としてのこだわりを聞くと「私を信頼して馬を預けて託して下さったオーナーさんや紹介して下さった方の期待に応えられるように、馬を良くする事だけを考えています。そのために、無事に出産し母仔共に健康でいられる事、身体が丈夫でタフな馬に育てること、些細な事やちょっとした仕草でも体調の変化やケガに気が付けるように注意を払うなどして気を付けています。この辺りは同年代のやる気に満ちた牧場経営者が多いので青年部を作って、人手が足りない時は助け合ったり、切磋琢磨しながらみんな必死に頑張っています。何があってもひたすら前を向く。「前を向く以外の選択肢は無い」という言葉を胸において、丈夫な馬を育てます。」コツコツと努力を積み重ねる実直な仕事ぶりが人の輪を作っていくのかも知れない。
自慢の末脚を武器に異なる舞台で結果を出して来たウキヨノカゼは7歳でもまだまだフレッシュ。ヴィクトリアマイル(G1)で悲願のG1制覇に挑む。