2017年03月11日 金鯱賞 G2
優勝馬:ヤマカツエース
プロフィール
- 生年月日
- 2012年03月22日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:23戦7勝
- 総収得賞金
- 444,652,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- ヤマカツマリリン by グラスワンダー(USA)
- 馬主
- 山田 和夫
- 生産者
- 岡田牧場 (静内)
- 調教師
- 池添 兼雄
- 騎手
- 池添 謙一
今年から時期を春に移して行われた金鯱賞(G2)は1番人気に推されたヤマカツエースが完勝。昨年に続く同レース連覇を果たし、G1制覇へ向けて一歩前進の走りを見せた。
本馬の生産は新ひだか町の岡田牧場。過去には1989年のエリザベス女王杯(G1)の覇者サンドピアリスや、リキアイタイカン、タマモストロングといったJRA重賞馬や、GRANDAME-JAPAN 2015・ 古馬シーズンを優勝したサンバビーンらを生産している。近年、生産者ランキングでは順位を上げ、ベスト10に迫っている。
レース当日、同牧場の岡田隆寛代表は現地・中京競馬場で観戦し、5度目の重賞制覇を見届けた。岡田代表は、「強い内容でしたね。今回は1番人気に推されましたが、実績馬が揃っていましたからね。山田オーナーや池添調教師は自信を持っていたようで、パドックで馬を見ていても、課題の輸送をクリアして、馬体に実が入っていると感じました。レースは、1コーナーで良い位置につけられましたし、直線で抜け出したあたりで、勝利を意識しました。今回は人気を背負っていたので、正直ホッとしました。口取りでは、芝コースからスタンドにいる観客の方が見えて、大勢入っているなぁと改めて感じました。お祝いの品や電話、メールも沢山いただき、本当にありがたく思っています」と、歓喜の胸の内を伝えた。同牧場では生産馬が勝つと、スタッフにボーナスを渡しているという。出産、種付けでハードな繁忙期の最中、今回の朗報はスタッフにとっても励みになったことだろう。
本馬はキングカメハメハの産駒で、母ヤマカツマリリンの初子として誕生した。牧場時代については、「当歳から夜間放牧をやっていたわけではないですし、特別なことはしていないですよ。母馬がオープンまで上がった馬ですし、どんな子ができるか楽しみにしていました。初子ですが、デビュー戦で476kgだったように、大きく育ちましたね。今では500kgを超えますし、最初の印象ではダート向きかなと思ったほどです。乗り出してから評判が弾んで、騎乗スタッフも良い感触を掴んでいました」と、当時を振り返る。母ヤマカツマリリンは健在で、2番子のヤマカツサファイヤ、3番子のヤマカツグレースもJRAで勝ち上がっている。今年はロードカナロアの子を受胎中で、本馬と近い配合としている。
2歳夏のデビュー以来、一番大きい馬体重516kgで金鯱賞(G2)を制し、今まさに完成の域に入っていると思わせる本馬。息長い活躍は、母の父グラスワンダーの遺伝も彷彿させる。これまでの実績から、コーナー4つのコース形態を得意としており、来る大阪杯(G1)は本馬にとって本領発揮の舞台となるだろう。岡田代表もタイトル奪取へ期待を寄せている。
「早い時期から走っている馬ですが、ここにきて本格化してきましたね。頑丈な馬で、ビシビシと攻め馬ができる点も強みです。今年からちょうど大阪杯(G1)が格上げになって、この馬には運もあると感じています。私自身は、一方で、アロースタッドの代表も務めていまして、種牡馬事業をしています。先々はヤマカツエースを種牡馬として迎えたいと思っています。そのためにも、やはりG1のタイトルを意識しますね。サンデーサイレンスの血を持たないキングカメハメハ直子で、芝の中長距離タイプの種牡馬はあまりいませんから、大きな可能性を感じています。先々のためにも力が入る一戦ですが、まずは無事に走ってきて欲しいです」