2017年02月12日 共同通信杯 G3
優勝馬:スワーヴリチャード
プロフィール
- 生年月日
- 2014年03月10日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 891,324,000円
- 父
- ハーツクライ
- 母 (母父)
- ピラミマ(USA) by Unbridled's Song(USA)
- 馬主
- (株) NICKS
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 庄野 靖志
- 騎手
- 四位 洋文
2月12日、ノーザンファーム空港のR厩舎の育成スタッフは歓喜に沸いていた。この日行われた京都記念(G2)を育成馬のサトノクラウンが優勝。その後に行われた共同通信杯(G3)でも、R厩舎出身のスワーヴリチャードが初重賞制覇を果たし、賞金面でのクラシック出走を確実とした。
「毎年のように優れた能力を持った馬を預けてもらっている中で、その期待に応えられるような結果を、同じ日における2頭の重賞制覇という形で残せたことは、育成スタッフ共々、とても励みになりました」とサトノクラウンとスワーヴリチャードの育成調教を手がけた、ノーザンファーム空港の佐々木淳吏厩舎長は笑顔を見せる。
スワーヴリチャードはR厩舎に来て間もない頃から、クラシックでの活躍が嘱望されたほどの期待馬だった。
「歩いている姿にも風格があるというのか、オーラさえ感じることがありました。騎乗するとダイナミックな動きを見せ、乗っていたスタッフからは『載っているエンジンが違う』との評価も受けていた程です」
その頃、もう一つスワーヴリチャードに対してのスタッフ、そして佐々木厩舎長からの評価は、「ゆっくりとした成長曲線、そして距離があった方がいい走り共に、ハーツクライ産駒らしさが出ている」というものだった。
「1000mある屋内坂路コースの調教でも、物足りなさを感じていた程でした。皐月賞(G1)よりダービー(G1)向きなのではと思えたほどです」
秋口にデビューを果たせればクラシックに間に合うはず、と佐々木厩舎長が思っていた通りに9月のメイクデビュー阪神でデビューを果たしたスワーヴリチャードは2戦目に初勝利。初重賞挑戦となった東京スポーツ杯2歳S(G3)では勝ったブレスジャーニーとはクビ差の2着に入る。
約3か月ぶりの実戦となった共同通信杯(G3)では、この時の好走が評価され、2番人気の支持を集める。道中は中団に待機すると、そこからメンバー中では上がり最速となる34秒2の末脚を使い、2着のエトルディーニュに2馬身半差を付ける快勝。この10年の勝ち馬で3頭の皐月賞馬、そして2着に敗れたもののドゥラメンテとディープブリランテ2頭の日本ダービー馬を輩出している出世レースの勝ち馬としてその名を残した。
「庄野厩舎、四位騎手を含めた様々な関係者の皆さんが、この馬の能力を更に引き出してくれたのでしょうし、スワーヴリチャード自身、レースを使う度に成長を遂げている印象も受けます」
次走は皐月賞(G1)に直行を予定。ゴールドシップ、イスラボニータ、そしてディーマジェスティがこのローテーションで皐月賞(G1)を制覇している。
「オーナーからの期待も大きかった馬であり、無事にクラシックへ近づくような結果を残せたことも嬉しく思えます。R厩舎としても皐月賞(G1)、そして日本ダービー(G1)はまだ勝っていないレースであり、今年はスワーヴリチャードで勝ちたいとの思いがあります」
まずは皐月賞(G1)。このレースを勝利した暁には、スワーヴリチャードには二冠制覇、そして三冠制覇も現実味を帯びてきそうだ。