重賞ウィナーレポート

2017年01月14日 愛知杯 G3

2017年01月14日 中京競馬場 小雪 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マキシマムドパリ

プロフィール

生年月日
2012年02月01日 05歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:19戦5勝
総収得賞金
222,461,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
マドモアゼルドパリ  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
(株) グリーンファーム
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
松元 茂樹
騎手
岩田 康誠

 近年、牧場で実務経験を積んだ後に厩務員といった、競馬サークルで仕事をするホースマンが増えている。愛知杯(G3)を勝利したマキシマムドパリを担当する吉田貴昭調教助手も、マキシマムドパリの生産牧場である社台ファームのOBであり、そして牧場で育成調教を手がけた広瀬成彦調教厩舎長とは、同期入社という縁もあった。

 「騎乗馴致を開始した当初は大人しく、そして従順であり、全く手が掛りませんでした。それでも調教進度を上げるのに比例して、ピリピリした面を見せるようになり、瞬間的にカーっと燃え上がるようなところも出てきました」とは広瀬調教厩舎長。体力が付いてきた育成馬は、より速く走りたいという思いが強くなるがばかりに、闘争心を見せるようになることがあるが、広瀬調教厩舎長はマキシマムドパリの前向きさを押さえ込むことはせずに、むしろ、損ねない形での調教を行っていった。

 マキシマムドパリの走りを見ると、それが長所となっていることが分かる。愛知杯(G3)を含めた19戦で8度に渡って上がり3ハロンでの最速タイムを記録。愛知杯(G3)でも瞬間的な闘争心は一気の加速となって現れ、メンバー中最速の上がり3ハロン35秒フラットの末脚で、粘り混む先行勢を一気に交わしていった。

 「元々大人しくて賢いタイプですので、決して怒らず、そして急かさずに馬自身に納得してもらいながら進めていったことが良かったのかもしれません。それにしても素晴らしい差し脚でしたね。この脚を引き出してくれた、岩田騎手の手綱捌きにも痺れました」

 ちなみに吉田調教助手の父である吉田政弘さんは、厩務員としてバンブーアトラス、ビリーヴも手がけたことがある、名うてのホースマン。親戚にもG1馬、そして重賞馬を手がけた厩舎関係者がいる。自らがホースマンとしてのスタートを切った社台ファーム生産馬、そして同期生の仲間が手がけたマキシマムドパリで、重賞制覇を果たせたのは吉田調教助手にとってもこの上ない喜びとなったはず。今後はマキシマムドパリと共に、父と並ぶG1制覇を成し遂げてくれるに違いない。