重賞ウィナーレポート

2017年01月17日 日経新春杯 G2

2017年01月17日 京都競馬場 晴 稍重 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミッキーロケット

プロフィール

生年月日
2013年03月03日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:12戦4勝
総収得賞金
422,478,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
マネーキャントバイミーラヴ(IRE)  by  Pivotal(GB)
馬主
野田 みづき
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
音無 秀孝
騎手
和田 竜二

 セレクトセール2014の1歳セクションでは、9,936万円(税込)という高い評価を受けたミッキーロケットは、父キングカメハメハの育成も手がけた、ノーザンファーム早来牧場の横手裕二厩舎で騎乗育成が行われていた。

 「当時は馬体の良さと比較すると筋肉が付ききらず、走りにも力がありませんでした。それでも能力の高さは垣間見せていましたし、更なる成長を促すべく、環境を変えて調整を行うことになりました」と話すはミッキーロケットを初めとする現4歳世代を送り出した後に、調教主任として2つの育成厩舎を管理することとなった横手裕二調教主任。ノーザンファームしがらき、そし管理をする音無厩舎からの近況は、横手調教主任の元にも伝えられていた。

 「背腰にも肉が付いて、動きも力強くなったと聞いていました。これならクラシックにも間に合うのでは、と期待も膨らんだのは事実です」

 年明けに3歳未勝利戦を勝ち上がったミッキーロケットは、500万下で勝ちきれないレースが続くも、果敢にスプリングS(G2)に出走。ここで5着と出走権利を取るまでには至らなかったが、それでも高い能力を信じる陣営は皐月賞(G1)に登録。18頭の出走枠に入り出走したものの13着。再びノーザンファーム早来牧場で調整が行われることとなった。

 「牧場に戻ってきた頃は多少の疲れこそありましたが、それよりも2歳時に送り出した時よりも、馬がもの凄く良くなっていたことに驚かされました」

 ノーザンファーム早来牧場で調整されたミッキーロケットは、JRA北海道シリーズに参戦。500万下と1000万下のHTB賞を勝利と「上がり馬」と呼ぶに相応しい成績を残し、菊花賞(G1)トライアルの神戸新聞杯(G2)に出走する。このレースではクビ差の2着に敗れるも、勝ったのは後の菊花賞馬であり、古馬を相手に有馬記念(G1)も制したサトノダイヤモンド。そのサトノダイヤモンドと皐月賞(G1)時点での着差を考えても、一夏を超しての成長力を感じさせた。

 その菊花賞(G1)では5着となるも、古馬として初めて迎えるレースとなった日経新春杯(G2)では、実績も評価されて1番人気の支持を背負う。ゴール前では同じ4歳馬のシャケトラと激しい叩き合いとなるものの、ハナ差凌いで重賞初勝利をあげた。

 「ゴール前では声が出ましたね。これで古馬の一線級とも戦えるとの期待も膨らんできましたし、更に大きなタイトルを取れるような馬になってもらいたいです」

 この日経新春杯(G2)だが1着のミッキーロケット、2着のシャケトラだけでなく、3着のモンドインテロ、4着のレッドエルディスト、そして5着のカフジプリンスまでもが、ノーザンファーム生産馬。昨年で6年連続となるリーディングブリーダーとなったノーザンファームだが、オープンに在籍する生産馬の層の厚さを証明する形ともなった。今後の重賞、そしてG1レースでも直接対決がありそうな上位入着馬であるが、その際も今回のような上位独占は十分に考えられそうだ。