重賞ウィナーレポート

2016年12月31日 東京2歳優駿牝馬(GDJ)

2016年12月31日 大井競馬場 晴 稍重 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ピンクドッグウッド

プロフィール

生年月日
2014年04月09日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:8戦4勝
総収得賞金
37,450,000円
サウスヴィグラス(USA)
母 (母父)
スズカブルーム  by  スキャターザゴールド(CAN)
馬主
尾崎 智大
生産者
グランド牧場 (静内)
調教師
川西 毅
騎手
戸部 尚実
  • ピンクドッグウッドの母スズカブルーム(グランド牧場生産馬、父スキャターザゴールド)
    ピンクドッグウッドの母スズカブルーム(グランド牧場生産馬、父スキャターザゴールド)
  • 新ひだか町静内真歌にあるグランド牧場の放牧地
    新ひだか町静内真歌にあるグランド牧場の放牧地
  • グランド牧場本場の事務所前に建立されている天皇賞馬スズカマンボの像
    グランド牧場本場の事務所前に建立されている天皇賞馬スズカマンボの像
  • グランド牧場のエントランス
    グランド牧場のエントランス

 大晦日に大井競馬場で行われた『グランダム・ジャパン(GDJ)2016』2歳シーズンの最終戦「東京2歳優駿牝馬」を、6番人気のピンクドッグウッドが快勝。好スタートから道中3番手につけると、3~4コーナーでは早くも先頭に躍り出て、外から交わそうとする圧倒的1番人気のアップトゥユーを振り切り、3馬身の差をつけて先頭ゴールイン。8月の「フルールカップ(門別)」に次ぐ重賞2勝目を飾り、2016年シーズンの地方競馬を華やかに締めくくった。

 ピンクドッグウッドの生まれ故郷は、新ひだか町静内真歌に本場を構えるグランド牧場。同レース2着のアップトゥユーや、前年のGDJ2歳チャンピオンのモダンウーマン、また前年のNARグランプリ「2歳最優秀牝馬」に輝いたタイニーダンサーも同牧場生産のサウスヴィグラス産駒。近年、まさに“グランド牧場ブランド”といえる血統馬たちが、地方競馬の2歳戦を席巻しつづけている。

 「移籍初戦、さらにマイルは初めて経験する距離でしたし、大井競馬場も初めて。初物づくしでしたが、強い勝ち方でしたね。サウスヴィグラス産駒は総じて、そういう対応力に優れていると思います」と話すのは、グランド牧場の伊藤佳幸社長。現地での応援はできなかったが、北海道で生産馬のワンツーフィニッシュを見届けて年を越したそうだ。

 ピンクドッグウッドは、母スズカブルームにとっての6番仔。生まれた時から素直な気性の持ち主で、期待の大きな馬だった。「2歳上の全兄スマートアヴァロンがJRAで6勝を挙げ、現役馬としてオープンで活躍中です。母のスズカブルームもJRAで3勝した当牧場生産の活躍馬ですし、兄姉は全馬勝ち上がっていますので、期待してサマーセールに上場しました」と話す伊藤社長。

 そのサマーセールで無事に落札され、ホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎に入厩したピンクドッグウッドは、5月のデビュー戦を6馬身差圧勝。つづくウィナーズチャレンジでは、のちに栄冠賞を制するバンドオンザラン(こちらもグランド牧場生産馬)を破り、一躍注目を集めることになった。「夏には遠征して芝の函館2歳S(G3)にも挑戦しましたが、やはりダートの方が合っているのでしょうね」との言葉通り、地元・門別に戻って「フルールカップ」で重賞勝利を挙げると、ダートグレードの「エーデルワイス賞(Jpn3)」でも3着と健闘。レベルの高い道営2歳馬の中にあっても、トップクラスの実力があることを証明した。

 「ホッカイドウ競馬時代からアップトゥユーと幾度となく同じレースで走ってきましたが、ピンクドッグウッドも船橋へ移籍して南関東の牝馬クラシックへ挑戦すると聞いていますし、また2頭の戦いがつづいていくことになりそうですね。本当に楽しみです」と高いレベルで鎬を削る両馬に大きな期待を懸ける。

 ピンクドッグウッドはNARグランプリ2016「2歳最優秀牝馬」に選出され、グランダム・ジャパン2016の2歳女王に輝いたアップトゥユーとタイトルを分け合った。両馬の3歳シーズンは「桜花賞(浦和)」の前哨戦「ユングフラウ賞(浦和)」からの始動となりそうだ。『グランダム・ジャパン2017』3歳女王に向けたグランド牧場出身馬の熱い戦いが、早くも始まろうとしている。