2016年12月03日 金鯱賞 G2
優勝馬:ヤマカツエース
プロフィール
- 生年月日
- 2012年03月22日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:21戦6勝
- 総収得賞金
- 444,652,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- ヤマカツマリリン by グラスワンダー(USA)
- 馬主
- 山田 和夫
- 生産者
- 岡田牧場 (静内)
- 調教師
- 池添 兼雄
- 騎手
- 池添 謙一
12月3日、中京競馬場で行われた第52回金鯱賞(G2)は、中団のやや後方でレースを進めた4番人気ヤマカツエースが最後の直線に入ると外から脚を伸ばして、先行していたパドルウィールをかわしクビ差をつけ優勝した。
ヤマカツエースは、北海道新ひだか町の岡田牧場の生産馬で父キングカメハメハ、母ヤマカツマリリン、母父グラスワンダーという血統。前走の天皇賞(秋)(G1)15着から見事巻き返し、重賞4勝目のタイトルを獲得した。
牧場で応援していたという岡田牧場代表岡田隆寛さんは、「輸送に弱い所があるのですが調子が戻って来たと聞いていました。枠は得意な1枠ではなく外枠だったので不利だなと思いましたが今回は力強かったですね。4歳になり折り合いがつくようになったので落ち着いたレースが出来ました。」と愛馬の成長に頬を緩めた。
今年の中山金杯(G3)で強さを見せつけ一皮むけた印象だったがその後のレースは惜敗が続いた。「京都記念(G2)くらいから体調を崩してしまい、夏の札幌記念(G2)でも持っている力を出せていませんでした。500キロ位で競馬が出来るようになれば安定してくるのですが。次走は有馬記念(G1)も選択肢のひとつのようですがギリギリまで状態を見てから判断するのではないでしょうか。年が明けてからはG1に昇格した大阪杯を目指すようです。将来は種牡馬としてアロースタッドに帰って来て欲しいですね。そのためにもタイトルをとってもらいたい。」常に冷静な目で先を見据える岡田社長が熱いエールを送った。
母ヤマカツマリリンは今や岡田牧場にとって特別な存在の馬だ。「オープンまで行った牝馬が個人の牧場に繁殖牝馬として帰って来るというケースはごく稀な事なんです。」と話す岡田社長。競走馬として活躍し、故郷に帰って来てきて出産した子供達が勝ち上がって来るとなれば可愛くて仕方がない。繁殖スタッフの林一輝さんによるとマリリンは馬に対してはキツくあたるタイプなのだそうだ。「マリリンの初仔だったエースはお産と子育てに慣れていない母から辛くあたられていましたが、頭を使い上手くかわしながらお乳を飲んだりしていました。産駒は共通してみんなお利口です。エースは当歳の頃、身体が弱かったのでスタッフみんなで「この子を守ってやろう」という思いを強く持ち、いつも気にかけてケアをしてきた馬でした。そういう子が大きな舞台に立って活躍している姿を観ると感慨深いものがあります。」マリリンの傍に立ち大きな馬体を見上げながら嬉しそうに笑う姿を見ると、スタッフの日頃からの手厚いケアの上に華々しい結果が生まれているのだと改めて気づかされる。
今年の当歳で半妹の父ジャスタウェイ、1歳半弟の父ヘニーヒューズも順調に育って来ているそうだ。「どちらも手がかからず馬体もしっかりしています。特に1歳は馬っぷりが良く、1歳でこんなお尻の馬はいない。エース以来の牡ですし楽しみです。父のヘニーヒューズはダート色が強いのですが、この馬もそういう所があるので楽しみですね。無事にデビューしてくれたら良いなと思います。今年マリリンが受胎したロードカナロアは、父がキングカメハメハですから相性が良いと思いますのでこちらもとても楽しみです。」
故郷では岡田社長はじめスタッフみんなが、当歳の頃から注いできた暖かい眼差しでヤマカツエースを見守っている。そして種牡馬として帰ってきてくれる事を願っている。得意としている長くいい脚を使ってターフを駆け抜け、大きなタイトルへゴールして欲しい。