2016年11月13日 エリザベス女王杯 G1
優勝馬:クイーンズリング
プロフィール
- 生年月日
- 2012年05月25日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦6勝
- 総収得賞金
- 451,026,000円
- 母 (母父)
- アクアリング by Anabaa(USA)
- 馬主
- 吉田 千津
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 吉村 圭司
- 騎手
- M.デムーロ
6度目のG1挑戦となったエリザベス女王杯(G1)。メンバー強化も、距離の壁も関係なく、クイーンズリングは先頭でゴール板を駆け抜けた。
「距離のことを考えてマイルCS(G1)の出走も検討したものの、M.デムーロ騎手が乗れるということが決め手となり出走を決めました」と社台ファームの吉田哲哉氏は出走の背景を話す。このエリザベス女王杯(G1)まで、重賞3勝を含む5勝をあげていたクイーンズリングではあったが、2000m以上の勝ち鞍はなく、最も長い距離での勝ち鞍はメイクデビューと府中牝馬S(G2)が行われた芝1800m。3歳時の秋華賞(G1)では2着に入っているものの、芝2000m以上の連対はこの1戦だけであり、昨年のエリザベス女王杯(G1)でも8着に破れている。
しかし、距離の不得手など感じさせなかったのが、M.デムーロ騎手の好騎乗だった。煽るようなスタートとなったものの、折り合いを付けたM.デムーロ騎手は、距離ロスを無くすかのように進路を最内に向けていく。第4コーナーもインコースをピッタリと回っていたが、最後の直線では馬群の間を縫うように着順を上げていき、ゴール前で粘り混んでいたシングウィズジョイを、計ったかのようにクビ差交わすという、まさに最高の騎乗だった。
「最後の直線は素晴らしい末脚でしたね。しかも、2着にシングウィズジョイが入ったっことで生産馬のワンツーフィニッシュ、そして、パールコードも4着入線を果たすなど、私たちに取っては、これ以上望めないくらいの素晴らしい結果となりました」
また、社台ファームとしては嬉しいことが重なった。生産馬であり、2009年にはリーディングサイアーにも輝いたことがある父マンハッタンカフェにとっては、これがグレープブランデー(2013年フェブラリーS(G1))以来のG1制覇ともなったのだ。
「マンハッタンカフェ産駒としては、3年ぶりのG1制覇であり、しかも、生産馬で成し遂げることができたのは、生産者冥利に尽きます。この場を借りてご声援いただきました皆様に感謝申し上げたいです」
ちなみに2着のシングウィズジョイもマンハッタンカフェの産駒。パールコードもヴィクトワールピサの産駒と、社台ファーム生産種牡馬の産駒が上位を占めたのは、率先して牧場で繋養されている名牝へ配合を行い、そして産駒の成長の過程や、父との共通点を熟知しているスタッフが接してきたからこその結果とも言える。
この後、クイーンズリングは香港C(G1)に参戦を予定。芝2200mであれほどの強いレースを見せてくれた今のクイーンズリングなら、距離の壁は勿論のこと、世界の壁も打ち破るようなレースを見せてくれそうだ。