重賞ウィナーレポート

2016年11月03日 JBCクラシック(中央交流) Jpn1

2016年11月03日 川崎競馬場 晴 重 ダ 2100m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アウォーディー(USA)

プロフィール

生年月日
2010年05月10日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:32戦10勝
総収得賞金
435,104,000円
馬主
前田 幸治
生産者
North Hills Management (米国)
調教師
松永 幹夫
騎手
武 豊

 北は北海道の帯広競馬場から南は九州の佐賀競馬場まで。全国に広がる地方競馬全体がひとつになって盛り上げるJBC競走が11月3日、神奈川県の川崎競馬場で行われた。快速ナンバーワンを決める「スプリント」、最強牝馬決定戦の「レディースクラシック」、そして真のチャンピオンが導き出される「クラシック」と、わずか1日で3つのJpn1競走が組まれている豪華プログラム。

 その中でもっとも高額賞金レースが「クラシック」だ。今年も2100mコースを舞台にダート巧者自慢たちが顔を揃えたが、勝ったのは日本ダービー馬ジャングルポケットと、天皇賞(秋)(G1)に勝ったヘヴンリーロマンスとの間に生まれた米国産馬アウォーディー。この勝利でダート路線に転校して不敗の6連勝。重賞5連勝でJpn1ウイナーの仲間入りを果たしている。

 同馬を育成したのは、ノースヒルズグループの育成部門を受け持つ大山ヒルズ(鳥取県)。斎藤慎育成担当マネージャーは川崎競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ち会うことができた。「休み明けの日本テレビ盃(Jpn2)のあと、このレースを目標にしっかりと仕上げられてきたという印象を受けました。レースでも派手なところはありませんが、しっかりと結果を出してくれるあたり、とても頼もしく感じます」と喜んでいる。

 アウォーディーが日本の地を踏んだのは1歳秋のこと。「第一印象は母親とよく似ているなぁということでした。血統は純国産馬ですが、5月生まれの外国産馬ということもあって馬の成長にあわせた育成プログラムを組んだことを思い出します」。

 2歳12月にデビューしたものの初勝利は翌年3月。競走馬にとって一生一度の晴れ舞台「日本ダービー(G1)」出走を目指して挑んだ青葉賞(G2)は33秒台の末脚を繰り出したものの5着。夢破れたあとは、自己条件戦から芝の長距離レースを選んで使われながら着実に力を付けた。 

 「成績が示すとおりに、ヘヴンリーロマンスがそうだったように奥手の馬。そういうことを松永調教師はじめ周囲の人間が理解しているというのは、この馬にとって大きなアドヴァンテージだと思います」という齋藤さん自身も「牧場にいる間、普段はおとなしい馬なんです。ただ、人間が騎乗すると気合が乗るというか、ピリッとしたところを見せます。そんなところも母親と良く似ています」と目を細めている。

 「今回のレースは、コーナーを6回まわる難コース。相手関係をよく知る武豊騎手が騎乗してくれたのも心強かったですし、それに応えてくれた馬を誇りに思います」と、胸を張り、「この馬の心肺機能は別格。今回もレースのあと、検量室まで下りていったら、もう息が入っていました。トップレベルが集うJpn1競走で、これは本当にすごい事。心強く思います。ここまできたら、秋から暮れの大きなレースでも頑張ってほしいと思います」とエールを送っている。