重賞ウィナーレポート

2016年11月06日 AR共和国杯 G2

2016年11月06日 東京競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シュヴァルグラン

プロフィール

生年月日
2012年03月14日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:15戦6勝
総収得賞金
1,000,697,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ハルーワスウィート  by  Machiavellian(USA)
馬主
佐々木 主浩
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
友道 康夫
騎手
福永 祐一

   これを快挙と言わずになんと表現しようか。今年のアルゼンチン共和国杯(G2)、ノーザンファーム生産馬が掲示板を独占したが、そのうち、上位4頭がノーザンファーム早来牧場の育成馬。そして上位3頭が当時の林厩舎の育成馬となった。

   「シュヴァルグランだけでなく、アルバート、ヴォルシェーブと、3頭共に騎乗していた馬になります」と話すのは林宏樹調教主任。日本ダービー馬を始め、様々な名馬に跨がってきた林調教主任でさえ、育成馬の重賞における上位独占は初めてだと言う。

   この快挙の影には、シュヴァルグランが当初予定していた京都大賞典(G2)を回避して、このアルゼンチン共和国杯(G2)を秋初戦に選んだこと。そして、骨折明けとなったアルバートの復帰戦、日本海Sを勝利してオープン入りを果たしたヴォルシェーブが、このレースに照準を合わせたこともある。

   「シュヴァルグランは宝塚記念(G1)の後に牧場に戻ってきました。疲れが残っていたこともあり、トレッドミルも併用しながら、徐々に調教のペースを上げていくと、減っていた馬体も回復し、調教でもいい動きを見せるようになりました」

   実はシュヴァルグランの調整と同じ時期に、アルバートも林調教主任の元で管理をされていた。ヴォルシェーブも屈腱炎を発症した際に、長期に渡って当時の林厩舎で調整が行われていた馬。この快挙の影には林調教主任だけでなく、厩舎スタッフや牧場の獣医師など、様々な牧場スタッフの苦労や努力があった。

   「シュヴァルグランとヴォルシェーブのオーナーである佐々木(主浩)オーナーにも、任せていただけたからこそ、馬の回復を待ったローテーションが組めたと思いますし、それはアルバートのオーナーでもある林(正道)オーナーも一緒です。管理をしていただいている厩舎の皆さんも含めての協力無くしては、この結果には繋がらなかったと思います」

   ゴール前ではどの馬も勝って欲しいと思ったという林調教主任。勝利したシュヴァルグランだけでなく、これが復帰戦となるアルバートや、重賞で上位入着馬と差の無いレースを見せたヴォルシェーブも、次走は更なる上積みが見込める。

   「シュヴァルグランは次走にジャパンカップ(G1)を予定していますが、コース適性も証明できましたし、距離も全く不安が無いことを証明してくれました。アルバートも苦手と言われた左回りを克服してくれましたし、ステイヤーズS(G2)連覇も充分に期待出来そうです。2頭と差の無いレースを見せてくれたヴォルシェーブも、重賞初制覇の期待が更に高まりました」

   今週、シュヴァルグランの出走するジャパンC(G1)から、林調教主任の元で管理された馬は、毎週のように重賞レースに出走。そこで3頭共に優勝を果たしたのなら、それはまた快挙と言えそうだ。