重賞ウィナーレポート

2016年11月05日 京王杯2歳S G2

2016年11月05日 東京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:モンドキャンノ

プロフィール

生年月日
2014年02月08日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
86,014,000円
キンシャサノキセキ(AUS)
母 (母父)
レイズアンドコール  by  サクラバクシンオー
馬主
ユアストーリー
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
安田 隆行
騎手
C.ルメール

   この2歳世代から、ノーザンファーム早来牧場では育成馬の管理を牡馬4厩舎、牝馬4厩舎で行うようになっている。アルテミスS(G3)でリスグラシュー(牝2)が、新体制となってから初めてとなる重賞制覇を果たしたが、5日に行われた重賞競走でもファンタジーS(G3)をミスエルテ、そして京王杯2歳S(G2)をモンドキャンノが優勝した。

   そのモンドキャンノの育成を手がけたのが山内厩舎。厩舎長である山内大輔氏は、横手厩舎、日下厩舎など、現調教主任の元で育成馬の管理を学び、そこで得た経験を見事にモンドキャンノの活躍という形で証明してみせた。

   「この重賞制覇は厩舎長としてホッとした、というのが正直な気持ちです。自分の厩舎は横手(裕二)調教主任が、厩舎長時代に管理していた馬を受け継いだ形となりますが、横手調教主任がやってきたことを継承しながら、また日下(和博)調教主任の元で学んだ牝馬に対する調教も融合させながら、育成調教を行うように心がけてきました」と山内厩舎長は話す。厩舎長として一から仕事を任されるようになった現2歳世代だが、その中でも最も調教が進んでいたのが、モンドキャンノだった。

   「仕上がりの良さだけでなく、スピード能力も抜けていました。昨年、同じオーナー(ユアストーリー)の所有馬で、メイクデビューを勝利してくれたオデュッセウスも、横手厩舎の時代に携わらせてもらったのですが、モンドキャンノは遜色ない動きを見せていましたし、これなら2歳戦の早い時期から活躍できるという確信も生まれました」

   その期待通りにメイクデビューを勝利したモンドキャンノは、続く函館2歳S(G3)も2着と健闘。レースの後は山内厩舎に戻り、調整が行われることとなった。

   「函館2歳S(G3)の後は筋肉の張りも失われるなど、疲れも見受けられました。幸いにもレース間隔はあったのでゆっくりと進めながら、同時に距離を乗るようにして、身体をほぐすように努めました」

   安田厩舎に入厩後も、ノーザンファームに勤めていた旧知の助手と頻繁に連絡を取りながら、状態を確認していたという山内厩舎長。格段に良くなってます、との言葉に自信を深めたというが、それを確信に変えたのは、レース当週に行われた追い切りの映像だった。

   「ストライドも大きく、そして、綺麗に走っていましたし、本当にいい状態でレースに臨めると思いました」

   そしてレースは、上がり3ハロンではメンバー中最速となる33秒7の末脚を使っての快勝。この京王杯2歳S(G2)はデビュー戦、函館2歳S(G3)からは1ハロンの延長となったが、全く距離の不安も感じさせないどころか、更なる距離延長もこなしてしまえるのではと思えるほどの脚色も残していた。

   「今回のレースのように我慢をさせていれば、距離関係なく末脚を使える馬だと思っています。マイルでも今回のようなレースを見せてくれるのではないのでしょうか」

   何よりもこの勝利で、厩舎のスタッフの志気が高まったことが嬉しいです、とも話す山内厩舎長。次走には朝日杯FS(G1)が予定されているが、そこでも厩舎が改めて一丸となれるような最高の結果を、モンドキャンノには期待して良さそうだ。