2016年09月21日 園田プリンセスC(GDJ)
優勝馬:ナンネッタ
プロフィール
- 生年月日
- 2014年03月28日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:2戦2勝
- 総収得賞金
- 4,252,000円
- 母 (母父)
- シアトルサンセット(USA) by Belong to Me(USA)
- 馬主
- 森田 藤治
- 生産者
- レイクヴィラファーム (洞爺湖)
- 調教師
- 吉行 龍穂
- 騎手
- 大山 真吾
『グランダム・ジャパン2016』2歳シーズンの皮切りは、園田競馬場の1400mコースが舞台となる「園田プリンセスカップ」。北海道からの遠征馬3頭を地元馬8頭が迎え撃つ形となった一戦は、先手を取った地元馬ナンネッタが後続に影をも踏ませぬ快走で5馬身差の圧勝。デビューから不敗の2連勝で重賞のタイトルを手にした。
ナンネッタの生まれ故郷は、洞爺湖町のレイクヴィラファーム。2011年に閉場したメジロ牧場を引き継ぐ形で設立された生産牧場で、道内屈指の観光地である洞爺湖の畔、羊蹄山を臨む素晴らしいロケーションに広大な放牧地を構える。レイクヴィラファームとして生産を始めて間もないが、一昨年の青葉賞(G2)を制して日本ダービー(G1)へも駒を進めたショウナンラグーンや、先日のサウジアラビアロイヤルC(G3) で1番人気の支持を集めたクライムメジャー(3着)などの活躍馬を早速、競馬場へ送り出している。
「セレクトセールで取り引きされた馬なので、てっきり中央競馬でデビューするものと思っていましたが、地方競馬からデビューすると知って驚きました」と話すのは、レイクヴィラファームの岩崎義久さん。昨年のセレクトセール1歳セッションに上場された「シアトルサンセットの14」は、“トーコー”の冠で知られる森田藤治氏によって1,404万円(税込)で落札された。セレクトセール出身の森田氏所有馬といえば、先日、『グランダム・ジャパン2016』古馬チャンピオンに輝いたばかりのトーコーヴィーナス(牝4歳)が頭に浮かぶ。トーコーヴィーナスも兵庫・吉行龍穂に所属してデビューから3連勝で「園田プリンセスカップ」を制し、いまや地方競馬を代表する牝馬にのし上がってきた。当然、ナンネッタにもトーコーヴィーナス同様の活躍が期待されることになるだろう。
「祖母はCCAオークス(米G1)の3着馬で、母系にはアメリカの重賞勝ち馬が代々並んでいる血統馬です。何せ母シアトルサンセットの初仔は、2004年のセレクトセール当歳セッションで2億9,400万円(税込)の値をつけて話題となったフサイチレオンですからね」とナンネッタの血統背景について話す岩崎さん。「デビュー戦や園田プリンセスカップの走りを見ていると、パワーを要する地方の馬場は合っているのかもしれませんね」と分析する。
「生まれたときから馬体が大きく、筋肉量が豊富でグラマラスな印象の馬でした。性格はおとなしく、怪我や病気もせずに順調に育ってくれました」と担当スタッフの的野智志さんは牧場にいた当時のナンネッタを振り返る。デビュー戦は518kg、2戦目は523kgという馬体重で登場。100kg近くの体重差がある他馬を置き去りにしてゴールを目指すその姿は、まるでブレーキの利かない重戦車が突き進むかのように迫力満点だった。
「母のシアトルサンセットもおとなしい性格の馬ですが、配合する種牡馬によって産駒のタイプは違ってくるようです。今年生まれた当歳馬は父トーセンラーの牡馬なのですが、ナンネッタと違って素軽い印象を受けますね。見に来られる方が皆さん褒めてくださるほど、素晴らしい馬体と動きを見せています」と母馬&半弟を紹介。母シアトルサンセットは今年、新種牡馬スピルバーグの仔を無事に受胎したそうだ。
「いまのところ地元では圧倒的に強そうですが、これから他地区の馬たちと対戦して、どんな競馬を見せてくれるか楽しみですね。期待して注目しています」とナンネッタにエールを送る岩崎さん。数々の名馬が巣立った放牧地で、逞しく育った良血牝馬。トーコーヴィーナス同様、オーナーが兵庫という枠を飛び出したくなるような活躍を、今後のナンネッタには期待したくなる。