2016年09月11日 セントウルS G2
優勝馬:ビッグアーサー
プロフィール
- 生年月日
- 2011年03月18日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:12戦8勝
- 総収得賞金
- 299,811,000円
- 母 (母父)
- シヤボナ(USA) by Kingmambo(USA)
- 馬主
- 中辻 明
- 生産者
- バンブー牧場 (荻伏)
- 調教師
- 藤岡 健一
- 騎手
- 福永 祐一
秋のG1シリーズ開幕戦となるスプリンターズステークス(G1)の前哨戦、かつサマースプリントシリーズの最終戦としてすっかり定着したセントウルステークス(G2)を1番人気に応えて快勝した、春の短距離王ビッグアーサー。同馬の生産者であるバンブー牧場の竹田辰紀社長は現地入りし、阪神競馬場で勝利を見届けていた。
「高松宮記念(G1)以来の実戦で内枠、初の58キロなど、少なからず不安な点がありましたが、終わってみれば危なげのない勝ち方でホッとしたとともに、この秋に大きな期待を抱かせる内容でしたね」
ビッグアーサーは名スプリンター、サクラバクシンオーの産駒として2011年に母シヤボナの2番仔として誕生。その当時のエピソードについて竹田社長は「その頃ちょうど生産馬のバンブーエールが活躍しており、新しい血を入れたいと考えていたタイミングで、タタソールズの繁殖馬セールに上場されていたところを運良く手に入れることができました。私自身エルコンドルパサーが好きで、キングマンボ肌の繁殖を探していたのですが、シヤボナは父がキングマンボなだけでなく、母父がサドラーズウェルズ。まさにエルコンドルパサーに近い配合ということもあり、購買を即断しました」
そうして日本の地を踏んだシヤボナだが、2頭目の種付け相手として指名されたのが、後にビッグアーサーの父となるサクラバクシンオーだった。「母が気性の勝ったタイプでしたので、そこを意識してスピードのありそうな種牡馬をと考えた結果、バクシンオーにたどり着きました。生まれてきた仔は当歳時からトモの筋肉が大きく発達していて体型もいかにもスプリンター。私好みで狙い通りに出てくれました。」
今年は5月にビッグアーサーの半妹となる栗毛のダイワメジャー産駒が誕生しており、同馬を所有する中辻オーナーの勝負服で走ることがすでに決まっているという。「マーケットブリーダーとしてはセレクトセールに上場することも選択肢のひとつでしたが、そこはやはりオーナーとのご縁を大切にしたかったので。今年はシヤボナにオルフェーヴルを配合してみたのですが、残念ながら不受胎だったので、来年に備えてのんびり休ませています。まだ若いですし、いずれ跡継ぎになれるような仔は牧場に残しておきたいですね」
一気に短距離界の頂点に登り詰めたビッグアーサーだが、今後の活躍はもちろんのこと、将来的には種牡馬として、周囲の期待も大きい。父サクラバクシンオーは5年前に他界、まだ確固たる後継種牡馬が不在ということに加え、サンデーサイレンスの血を持たない同馬には、すでに明るい未来が約束されていると言っても過言ではないだろう。
「ここ数年、歴史ある牧場が相次いで閉鎖するなど寂しいニュースが多いですが、バンブー牧場はこれからも末永く、名門牧場と呼ばれるようにあり続けることができるよう、生産馬とともに頑張っていきたいです。そういった意味でもこの秋のビッグアーサーの活躍に期待していますので、ファンの皆さまも応援よろしくお願いいたします」と竹田社長は秋の大一番を間近に控えた孝行息子に熱い期待を寄せていた。