重賞ウィナーレポート

2016年07月31日 アイビスサマーダッシュ G3

2016年07月31日 新潟競馬場 晴 良 芝 1000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ベルカント

プロフィール

生年月日
2011年03月02日 05歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:18戦6勝
総収得賞金
260,703,000円
サクラバクシンオー
母 (母父)
セレブラール  by  ボストンハーバー(USA)
馬主
(株) ノースヒルズ
生産者
土居 忠吉 (三石)
調教師
角田 晃一
騎手
M.デムーロ

 サマースプリントシリーズ第3戦「第16回アイビスサマーダッシュ(G3)」は新ひだか町の土居忠吉さん生産のベルカントが激しい競り合いを制して08、09年のカノヤザクラ以来、史上2頭目の同レース連覇を達成した。通算成績は19戦6勝(重賞5勝)。この勝利でサマースプリントシリーズの暫定トップに躍進。シリーズ連覇に向けて力強い一歩を踏み出した。牝馬のJRA重賞5勝は、マックスビューティやファインモーション、ホエールキャプチャらとならぶ歴代15位タイ。G1タイトルこそもたないが、確実に名牝への道を歩んでいる。

 「ベルカントは、当牧場に初めて重賞タイトルをもたらしてくれた馬です。それだけでも十分なのに、改めて振りかえると5つのタイトルとは驚くばかりです。それぞれに思いが詰まった勝利なので、本当に嬉しいです」。この日、新潟競馬場で前田オーナーとともに愛馬の走りを見守った生産者の土居正芳さんは力強さを増したベルカントの走りに感心しきりだった。抜群のダッシュで先行し、最後は2着馬を力でねじ伏せるようにして先頭ゴールインを果たしている。

 「昨年は(新潟競馬場の直線1000mコースで有利とされている)外枠からでしたが、今年は4番枠。昨年のような競馬は出来ないだろうなと思っていたのですが、そんなことを思って馬に申し訳なかったです」と喜びを表現し「写真判定にはなりましたが、ゴールした瞬間に勝利を確信し、オーナーと喜びを分かち合うことができました」と相好を崩している。

 母セレブラールも土居さんの生産馬。ノースヒルズマネジメント(当時の表記)が馬主となってJRAで3勝をあげたのちに土居さんの牧場に帰ってきた。

 「毎回申し上げることですが、感謝という言葉以外にはありません。セレブラールはベルカントを生んだあと、2年ほど産駒に恵まれませんでしたが、1歳にロードカナロアの牝馬がおり、今年もロードカナロアを父に持つ牝馬を生んでくれました。どちらもとても品のある馬で、牝馬ながらに筋肉質の馬体の持ち主。両親ゆずりのスピードタイプに育ってくれるように期待しております」。そして、今年は新種牡馬キズナの仔を受胎しているそうだ。

 図らずも、アイビスサマーダッシュのレース後、ベルカントの前田オーナーからは今年限りでの引退。そしてキズナとの配合プランが明かされたばかり。「そのためにも、とにかく無事に。そして良い結果に結びついてくれることを期待します」と生産者目線でエールを送っている。