2016年07月31日 クイーンS G3
優勝馬:マコトブリジャール
プロフィール
- 生年月日
- 2010年03月23日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:28戦7勝
- 総収得賞金
- 160,754,000円
- 母 (母父)
- マコトコーラン by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- (株) ディアマント
- 生産者
- 出口 繁夫 (様似)
- 調教師
- 鮫島 一歩
- 騎手
- 四位 洋文
北海道シリーズ札幌開催を告げる「第64回クイーンS(G3)」は様似町の出口繁夫氏生産9番人気マコトブリジャールが最後の直線で鋭く伸びて優勝。今年4月の福島牝馬ステークス(G3)に続き、約3か月の休み明けをはさんで重賞2連覇を達成した。生産者の出口繁夫さんにとっても、今年2つ目の重賞タイトル。12年連続でJRA重賞Vを続ける様似町にとってもJRA重賞年間2勝は2012年にガルボがダービー卿チャレンジトロフィー(G3)、そして東京新聞杯(G3)を制して以来4年ぶり。嬉しい勝利となった。
レースは、マーメイドS(G3)を勝って駒を進めてきたリラヴァルティが引っ張る展開。前半の半マイルが49秒1で、1000m通過が61秒5というスローペースをインコースでじっと我慢を重ねていたマコトブリジャールが最後の直線で四位騎手のゴーサインに応えるようにして先頭ゴールイン。北の女王に輝いた。
この日、競馬場に足を運んでいた出口さんは「福島牝馬S(G3)のときは牧場のテレビでの応援でしたので、嬉しいです。今回は休み明けになりましたが、素晴らしい状態に見えました。関係者に感謝するとともに、素晴らしいタイミングで外に出してくれた四位騎手の騎乗も印象に残ります。直線に入ってからは、ずっと声を出しっぱなしでした。声が枯れてしまいましたよ」と嬉しいそうに話してくれた。
レース前は「休み明けでもありましたし、とにかくこの馬らしい競馬をしてくれたら」という思いだったそうだが、その反面「開幕週の芝競馬で良い枠を引き当ててくれたので、心の中では少しだけ期待していました」と生産者らしい本音もチラリ。最高の瞬間に立ち会うことができたと相好を崩した。
牧場時代は小柄ながらも健康に過ごしていたという。「ケガであるとか、病気とは無縁の健康な馬でした。母のマコトコーランは、長く牧場を支えてくださっている馬主さんから預かった馬なのですが、こうして子供が活躍してくれることで少しでも恩返しができたとしたら嬉しいです」と感謝の言葉を続けた。
出口繁夫さんの牧場は1965年創業。長い歴史の中で1990年のエリザベス女王杯(G1)制覇のキョウエイタップや2010年のマーチS(G3)に勝ったマコトスパルビエロ、昨年の新潟2歳S(G3)3着のマコトルーメンなどを送り出している。
「自分たちのような牧場にとって重賞競走というものは、勝つことはもちろんですが、出走させることすら難しいものです。生産牧場の仕事は、お預かりした牝馬を受胎させて、出産させること。そういう意味では責任を果たせたのかなという思いです。馬主さんはもちろんですが、中期育成牧場や育成牧場の方々、厩舎関係者など喜びの輪が広がっていくのは嬉しいです」と笑顔でレースを振り返ってくれた。