重賞ウィナーレポート

2016年06月29日 帝王賞(中央交流) Jpn1

2016年06月29日 大井競馬場 曇 不良 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コパノリッキー

プロフィール

生年月日
2010年03月24日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:23戦12勝
総収得賞金
995,144,000円
ゴールドアリュール
母 (母父)
コパノニキータ  by  ティンバーカントリー(USA)
馬主
小林 祥晃
生産者
ヤナガワ牧場 (門別)
調教師
村山 明
騎手
武 豊
  • 帝王賞(Jpn1)の口取り写真、向かって右端が梁川代表
    帝王賞(Jpn1)の口取り写真、向かって右端が梁川代表
  • 牧場生産馬は上半期だけでG1/Jpn1・3勝
    牧場生産馬は上半期だけでG1/Jpn1・3勝
  • 日高町役場に並ぶG1優勝垂れ幕
    日高町役場に並ぶG1優勝垂れ幕

 大井競馬場で行われた帝王賞(Jpn1)はコパノリッキーが早め先頭から押し切って快勝。本馬を含めG1馬5頭が揃った中、貫禄の走りを見せつけた。

 本馬の生産は日高町のヤナガワ牧場。これまでにコパノリチャード、サンライズバッカス、プライドキムといったG1馬を生産し、最近では芝・古馬王道路線をけん引しているキタサンブラックが、牧場の看板をより一層輝かせている。ここ数年はリーディングブリーダー・ランキング上位の常連で、大手牧場に迫っている。

 レース当日、同牧場の梁川正普代表は現地、大井競馬場で観戦しており、栄えある瞬間に立ち会った。梁川さんは、「強い内容だったと思います。年齢的には6歳となりますが、ますます馬体重が増えて、過去最高馬体重での出走となりましたね。今回は逃げる戦法ではなく、3番手からのレースで力を発揮できたことも大きいです」と、レースを振り返った。

 同牧場としては、5月1日にキタサンブラックが天皇賞(春)(G1)を逃げ切り、その数日後には本馬がかしわ記念(Jpn1)を制覇。そして、約2か月後には本馬が大一番で連勝を飾り、上半期だけでG1/Jpn1を3勝。地元・日高町役場にはズラリと、同牧場生産馬を称える垂れ幕が並んでいる。

 本馬は父ゴールドアリュール、母コパノニキータ、母の父ティンバーカントリーという血統。母の3番子として誕生し、同牧場で健やかに幼少期を過ごした。今年15歳となる母コパノニキータは繁殖生活を続けており、2歳には本馬の全妹となるコパノレヴィーン、1歳には本馬の全弟が続く。

 「今年はリッキーの全妹が無事誕生しています。上の1歳もそうですが、栗毛の子です。ともに将来を楽しみにしています。コパノニキータは今年もゴールドアリュールを受胎しています」と、梁川さんは紹介。裏付け十分の血統から再び大物を狙っている。

 一方、父方の血統に目を向ければ、7月に行われたHBAセレクションセールでは、ゴールドアリュール産駒が10頭上場で8頭落札。中には2,000万円を超す落札馬も現れた。本馬の息長い一線級での活躍は、父やその産駒たちにも大きな追い風となっている。

 今回の勝利で実にG1/Jpn1・7勝目を飾った本馬。まぎれの少ない大井・2,000mの舞台でライバルを圧倒し、衰え知らずの脚力は新興勢力にも高い壁となって立ちはだかる。

 「どちらかと言うと寒い時期が得意の馬なのですからね。時期的なことを考慮しても、よく結果を出してくれたと思います。今回はメンバーもかなり揃っていましたからね。いつも願っていることですが、これからも無事に走ってきて欲しいです」と、梁川さん。中央・地方のダート王道路線をほぼ総ナメにし、これからの一戦一戦は、歴代の名馬たちと競う次元。獲得賞金は父ゴールドアリュールの2倍にも達しようとしている。秋以降も名手・武豊騎手に導かれ、重厚感を増した栗色の躍動に熱狂したい。