2016年05月31日 北海優駿(DW2016)
優勝馬:スティールキング
プロフィール
- 生年月日
- 2013年04月19日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/芦毛
- 戦績
- 国内:10戦3勝
- 総収得賞金
- 28,038,000円
- 母 (母父)
- グルカッシュ(GB) by Machiavellian(USA)
- 馬主
- 菅野 守雄
- 生産者
- ユートピア牧場 (登別)
- 調教師
- 角川 秀樹
- 騎手
- 桑村 真明
ホッカイドウ競馬の3歳ナンバーワンホースを決める「北海優駿(ダービー)」を、単勝1.4倍の圧倒的人気に応えてスティールキングが優勝。道中は4~5番手の位置できっちりと折り合い、3~4コーナーで楽に先行集団を捕えると、直線入り口では早くも先頭に。そのまま後続の追撃を振り切り、まったく危なげないレース運びで北斗盃につづく二冠目を獲得した。
スティールキングの生まれ故郷は、登別市のユートピア牧場。過去には長距離G1を3勝したライスシャワーをはじめ、1994年の桜花賞(G1)で1番人気の支持を受けて3着だったローブモンタントなどを生産。地方競馬へも、今年の東京プリンセス賞を制したリンダリンダなど、数多くの活躍馬を送り出している名門牧場だ。場長を務める山口正さんは、スティールキングがダービー馬となる瞬間を門別競馬場で見届けた。
「抜けた1番人気になっていましたし、無事に勝ってくれてホッとしたというのが正直なところです。オーナーも二冠目を獲れて、たいへん喜んでおられました」とレースの感想を語る山口さん。
「スティールキングの母グルカッシュは、私が牧場を任されるようになって初めて海外から導入した繁殖牝馬なので、とても思い入れが強い血統なんです。当時、ワイルドラッシュが日本で繋養される話が持ち上がっていましたので、ぜひともグルカッシュに交配したいと思ってたんですね。そして生まれてきた初年度産駒がシャイニングアワーだったんです」と、スティールキングの母と兄について語る。スティールキングの半兄シャイニングアワーは、JRAで4勝を挙げてオープン馬となったのち、7歳時にホッカイドウ競馬へ移籍して重賞・道営スプリントを制覇。その後10歳まで現役をつづけ、通算53戦13勝の戦績を残す活躍を見せた。
そのシャインニグアワーと、8歳離れた6番仔がスティールキング。シルバーチャームを交配した理由をお聞きすると、「シャンニングアワーのあと、フジキセキ、ネオユニヴァースとサンデーサイレンス系の種牡馬をつづけて交配して産駒が誕生しているのですが、どうしても気が勝ってテンションが高くなってしまい、思うような成績につながらなかったんです。さらにスティールキングが生まれる前の2年間は不受胎だったこともあり、配合する種牡馬に頭を悩ませていたのですが、受胎率が高く、ワイルドラッシュと同じアメリカ産の種牡馬で、うちの牧場から近いJBBA胆振種馬場(当時)にいたシルバーチャームに目をつけました」と詳しく教えてくれた。
スティールキングの牧場時代について尋ねると、「気性的にはおっとりした性格で、母馬から離れて1頭になっても平気な様子をしているほど、とても度胸の据わった馬でした」と当時を振り返る。1歳夏までユートピア牧場で健康に育ち、育成先のパイオニアファーム(苫小牧)へ移動したそうだ。
昨年、南関東で4勝を挙げたスティールキングの半姉・マナエヴァ(父クロフネ)が現役を引退し、今年から繁殖生活をスタートさせている。「初年度にはサウスヴィグラスを交配したんですよ。これには訳がありまして、昨年の北海道2歳優駿(Jpn3)でスティールキングがタイニーダンサーの2着に負けて悔しい思いをしたんですが、これも何かの縁だと思い、タイニーダンサーの父サウスヴィグラスを交配相手に選びました」と笑顔を見せる山口さん。
「2歳時に鎬を削ったライバルはほとんどJRAや南関東へ移籍しましたが、スティールキングは冬期間も他地区へ移籍せず、門別に残ってこの3歳シーズンに備えました。ですから次の王冠賞で、ホッカイドウ競馬の世代代表としてぜひとも三冠を獲ってほしいです」と期待を大きく膨らませる。
クラキンコ以来6年ぶり、史上5頭目となる偉業達成なるか。7月28日(木)、門別グランシャリオナイターのスポットライトに煌々と照らされる芦毛馬に大きな注目が集まる。