重賞ウィナーレポート

2016年05月21日 平安S G3

2016年05月21日 京都競馬場 晴 良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アスカノロマン

プロフィール

生年月日
2011年05月22日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:22戦7勝
総収得賞金
283,585,000円
アグネスデジタル(USA)
母 (母父)
アスカノヒミコ  by  タバスコキャット(USA)
馬主
豊田 智郎
生産者
有限会社新冠タガノファーム (新冠)
調教師
川村 禎彦
騎手
太宰 啓介

 2013年から5月に移行されたダート重賞「平安ステークス(G3)」は、新冠タガノファーム生産で1番人気アスカノロマンが積極的な先行策からハナを切り、ゴール前では力の差を見せつけるように5馬身差の圧勝。今年1月の東海S(G2)に続いて重賞2勝目。通算成績を22戦7勝とした。

 新冠タガノファームは2003年創業。昨年のファルコンS(G3)を勝ったタガノアザガル、一昨年のファルコンS(G3)勝馬タガノグランパほか、2014年にはタガノエスプレッソがデイリー杯2歳S(G2)に優勝するなど活躍馬は枚挙に暇がない。

 今年も、約50頭の当歳馬が同ファームで産声をあげ、未来のスターホースを目指している。出産、種付作業も終盤に近づいた5月21日。生産牧場で働く人たちにとっては疲れもピークを迎えようという頃に京都競馬場から嬉しい知らせが届いた。

 牧場のテレビでレースを観戦していたという同ファームの田沼正美場長は「どちらかと言えば前に行きたい馬なので外枠がどうかなと思いましたし、それに58キロの斤量も相手関係からは決して有利ではないと思っていました。それだけに、こちらの想像を超える強さで驚いています」と声を弾ませた。

 「5月下旬生まれの馬でしたが、産まれたばかりの頃は馬格には恵まれていた馬でした。しかし体質が弱く、なかなか順調には行かなかった馬です。2歳夏にデビューしたものの、2度使っただけで無理することなく休ませるなどしたのも良かったと思います。ですから、昨年秋からの充実ぶりを一番喜んでいるのは、オーナーはもちろんですが、牧場時代にお世話になった獣医師の先生や後期育成を請け負った宇治田原優駿ステーブルの人たちかもしれません」と言葉を続けた。

 また、アスカノロマンは豊田智郎オーナーにとっても思い入れの深い1頭だという。母アスカノヒミコをJRAブリーズアップセールで購入し、1勝をあげたのち現役引退後は同ファームに繁殖牝馬として繋養。「アグネスデジタルとの配合を決めたのもオーナーです。残念ながらアスカノロマンが最後の仔になってしまったのですが、こうしてオーナーに喜んでもらえるような馬に育ってくれてほっとしています。若いうちは輸送に弱く、馬体重の増減も大きかった馬ですが、昨年秋に復帰してからは馬が充実してきた印象です。無理をさせなかったのは川村先生の判断だと思います。このあとは、さらに強い馬との戦いになると思いますが、頑張ってほしい」とエールを送っている。