重賞ウィナーレポート

2016年05月15日 ヴィクトリアマイル G1

2016年05月15日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ストレイトガール

プロフィール

生年月日
2009年03月12日 07歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:29戦11勝
総収得賞金
545,424,000円
フジキセキ
母 (母父)
ネヴァーピリオド  by  タイキシャトル(USA)
馬主
廣崎利洋HD (株)
生産者
岡本牧場 (浦河)
調教師
藤原 英昭
騎手
戸崎 圭太

 またひとつ、競馬の歴史が塗り替えられた。昨年のヴィクトリアマイル(G1)で「6歳になった牝馬はG1レースを勝てない(唯一の例外は、南半球生まれでジャパンカップ(G1)に勝ったホーリックス=当時)」という“ジンクス”を一蹴したストレイトガール。その後、昨年秋のチャンピオンズカップ(G1)で同じ年に生まれたサンビスタに牝馬最高齢G1勝利記録を塗り替えられたものの、7歳で迎えたこのレースで連覇達成。しかも、優勝時計の1分31秒5はレースレコードにもなった。

 同馬を生産した岡本牧場(浦河町西舎)の岡本章社長は、進化が止まらない愛馬を「すごい馬ですね」と、まるでファン目線で称えている。

 「確かに生産者は岡本牧場で、ストレイトガールの母ネヴァーピリオドも当牧場の生産馬ですが、私たちは廣崎オーナーから預かった馬(ネヴァーピリオド)にフジキセキを配合して1歳の秋に送り出しただけです。晴れやかな場に3回も立たせていただいて、なんだか申し訳ないような気持ちです」と照れた。

 「母馬もそれほど大きな馬ではなかったですので、ストレイトガールも生まれたときは大きな馬ではありませんでした。ただ、芯の強さみたいなものを感じさせる馬で、体力的にはタフな馬でした。病気などで大きく体調を崩すことはなかったです」。

 420キロ台でデビューしたストレイトガールが、470キロ近くまで成長し、そして大輪の花を3つも咲かせた。岡本社長の言う「芯の強さ」が成長力につながって、現在のストレイトガールになっているのかもしれない。

 「デビューした当時は、輸送に弱く期待ほどの成績を残すことができませんでした。現在のストレイトガールがあるのは、焦ることなく馬の成長を待った藤原調教師と廣崎オーナーのおかげだと思っています」と感謝の言葉を続けた。

 レースは東京競馬場で観戦した。「パドックでは、調子良さそうに見えました。香港から帰ってきて、久しぶりの前走を1度使っただけできっちりと馬を仕上げてきた藤原調教師と厩舎スタッフはすごいと思いました。それから現役続行を決めたオーナーの決断力もすごいと思いますし、それに応えたストレイトガールもすごい。だから、すごいとしか表現のしようがないのです」と笑った。

 今年、牧場では母ネヴァーピリオドの半妹ルーシーブライド(父ブライアンズタイム)がエイシンフラッシュの牝馬を出産した。「岡本牧場におけるこの血統は、(ストレイトガールの曾祖母)タイセイカグラを譲っていただいたことからスタートしました。今、当牧場に残るのはルーシーブライドだけですが、母フューチャハッピーも元気と聞いておりますし、いつかはストレイトガールも繁殖牝馬にあがってファミリーを広げてくれると思います。そのためにも無事に競走生活を終えてほしい」と生産者目線で愛馬にエールを送っている。