2016年04月23日 福島牝馬S G3
優勝馬:マコトブリジャール
プロフィール
- 生年月日
- 2010年03月23日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:27戦6勝
- 総収得賞金
- 160,754,000円
- 母 (母父)
- マコトコーラン by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- (株) ディアマント
- 生産者
- 出口 繁夫 (様似)
- 調教師
- 鮫島 一歩
- 騎手
- 北村 友一
優勝馬にヴィクトリアマイル(G1)の優先出走権が与えられる「第13回福島牝馬ステークス(G3)」は様似町の出口繁夫さん生産のマコトブリジャールが先行2番手から早めに抜け出して優勝。10度目の挑戦で嬉しい重賞初勝利を記録した。過去10年間で1番人気馬は2勝2着0回3着1回。今回も人気上位馬が崩れる中、15番人気での快走劇だった。
牧場にある自宅テレビでレースを観戦していたという出口さんは「近走の成績から人気はありませんでしたが、同じコース、同じ距離で行われた昨年初夏の福島テレビオープンで差のない競馬をしてくれていたので、内心はレースを楽しみにしていました」と、牡馬の強豪相手に同タイム3着だったレースを思い出しながら、愛馬を応援していたという。
「北村友一騎手が思い描いていた理想の競馬になったのではないかと思います。気難しところがあるようで、大事に使ってくれる馬主さんや鮫島厩舎の方々はもちろん、この馬を大事に育ててくれた中期育成を受け持ってくれた辻牧場や、、後期育成の森本スティーブルのおかげと思っております。先頭にたってからが長かった。ゴール前では追い込んでくる馬が多く、福島競馬場の直線が本当に長く感じました」と感謝の言葉を続けた。
出口繁夫さんの牧場は1965年創業。先代で創業者の出口繁蔵さんがサラブレッド1頭、アラブ1頭の繁殖牝馬を導入したのがきっかけだったという。「それまでは稲作や大豆などいろいろなものをつくっていましたし、牛もいたはずです」。軽種馬の専業となったのは75年頃。なかなか活躍馬に恵まれなかったが、90年の秋のエリザベス女王杯(G1)をキョウエイタップが勝っている。その後、マコトスパルビエロが2010年のマーチS(G3)など重賞4勝。昨年はマコトルーメンが新潟2歳S(G3)で3着と健闘した。
「JRAの重賞はマコトスパルビエロ以来です。長いといえば長いですけれども、ウチのような家族労働の牧場にとっては、大きなレースに出走させるだけでも大変なこと。こんなに早くまたJRAの重賞競走を勝てるとは思っていませんでした。でも、こうして馬が頑張ってくれることでみんなが笑顔になれる。今回、改めて人の輪というものを感じました」と喜んでいる。
牧場時代のマコトブリジャールは「小柄な馬でしたが、健康でした。だから、特別印象に残っているようなエピソードがないのです。生産牧場ですから、無事に受胎、出産させて、離乳のちに辻牧場へと送り届けることが仕事。そういう意味では、最低限の仕事は果たせたのかなと、そう思っています」。
母マコトコーランは、気性の強い馬だったそうだが「10年連続を含み、13頭の子供を残してくれました。受胎して出産させることは当たり前のことかもしれませんが、今あらためてふりかえると、生産者としては、続けてこれたことが一番嬉しいし、少しは胸を張っても良いことなのかなと、そう思います」と照れたような笑顔を見せてくれた。