重賞ウィナーレポート

2016年03月21日 フラワーC G3

2016年03月21日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エンジェルフェイス

プロフィール

生年月日
2013年03月05日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
68,205,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ワンフォーローズ(CAN)  by  Tejano Run(USA)
馬主
(株) ロードホースクラブ
生産者
ケイアイファーム (三石)
調教師
藤原 英昭
騎手
福永 祐一
  • 母ワンフォーローズと当歳の半弟(父ロードカナロア)
    母ワンフォーローズと当歳の半弟(父ロードカナロア)
  • 母ワンフォーローズと繁殖担当の田宮直人さん
    母ワンフォーローズと繁殖担当の田宮直人さん
  • 繁殖厩舎エリア
    繁殖厩舎エリア
  • ウッドチップコース
    ウッドチップコース
  • ウッドチップコース
    ウッドチップコース

 牝馬クラシックへの重要なステップレース「フラワーカップ(G3)」は、怪我から復帰した福永祐一騎手騎乗の1番人気エンジェルフェイスが、スタートから先頭に出て力強く逃げ切った。

 生産牧場は新ひだか町三石川上のケイアイファーム。鳧舞(けりまい)川の中流域の高台に150haの敷地が広がる牧場は、繁殖、馴致、育成と一貫とした競走馬つくりが行われている。現在飼養する繁殖牝馬の約50頭、育成馬約50頭はすべて同牧場の所有馬だ。

 安田記念(G1)を制し、現在種牡馬として活躍するロードカナロアをはじめJRAで8頭の重賞馬を送り出してきた。昔より家族経営の牧場の多い同地区では目だった存在でもある。

 本馬の優勝に中村智幸ゼネラルマネージャーは喜びの中にも冷静さを保つ。「ロード(ホースクラブ)の会員様のことを思うと、人気を集めていただけに、ホッとしたというのが本音ですね。」と穏やかに話す。

 しかし、デビュー4戦目で重賞を制した本馬に、中村ゼネラルマネージャーには、牧場の競走馬つくりに確かな手ごたえを掴んだ様子が伺える。

 本馬の母ワンフォーローズは、カナダ、米国で15勝(内重賞3勝)、カナダの最優秀古馬牝馬3回という栄冠を持つ。同牧場の大きな期待をかけた繁殖牝馬の導入だったが、母として3頭目の重賞馬を輩出して牧場の期待に応えている。

 1番仔の全姉レディアルバローザが2011年、2012年の中山牝馬S(G3)を2年連続で優勝、2番仔の半姉キャトルフィーユ(父ディープインパクト)が2014年のクイーンS(G3)に優勝。そして、5番仔の本馬がフラワーカップ(G3)を逃げ切り、母親の血統レベルが高いことを証明した。

 中村ゼネラルマネージャーは、「凄い母ですね。出産した牝馬4頭の中から3頭の重賞馬を出したのですから牝系に強い馬を出す血統かもしれません。」と語る。

 本馬は姉たちと違う物があると話は続く。「うちの牧場は、馬の成長に合わせて競走馬として育てています。重賞馬となった2頭の姉たちも、身が軽く素晴らしい馬でしたが、馬に合わせて育てたところ古馬になってから重賞をとることが出来ました。しかし、今回のエンジェルフェイスは、生れ落ちた時から、体のすべてがしっかりとしていて、早くから競走馬として育てることが出来ました。」と、クラシック戦線に挑戦することが出来た本馬へ期待を寄せる。

 現在、レディアルバローザは里帰りして3仔の母親となり、初産駒と成る父ディープインパクトの牡馬が今年デビュー予定。また、キャトルフィーユも今年ロードカナロアの仔を出産して母親となった。

 兄弟馬としては、本馬の後に1歳と当歳の半兄弟(父ロードカナロア)が元気に育ってちデビューを待つ。今年は、同牧場の生産馬で繁殖種牡馬となったロードカナロアの初産駒がデビューする。益々充実期を迎えたケイアイファームの生産馬たちから目が離せない。