重賞ウィナーレポート

2016年01月11日 フェアリーS G3

2016年01月11日 中山競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ビービーバーレル

プロフィール

生年月日
2013年03月25日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:6戦2勝
総収得賞金
61,702,000円
パイロ(USA)
母 (母父)
ファインディンプル  by  Silver Hawk(USA)
馬主
坂東 勝彦
生産者
絵笛牧場 (浦河)
調教師
中舘 英二
騎手
石橋 脩

 桜花賞(G1)を目指す3歳牝馬による重賞第1弾「第32回フェアリーステークス(G3)」は、先行争いを制してレースの主導権を握った浦河町・絵笛牧場生産のビービーバーレルがマイペースの逃げ戦法から最後まで脚色衰えずにそのまま押し切った。生産者の絵笛牧場にとっては1989年のウインターS(G3)(勝ち馬マルブツスピーリア)以来のJRA重賞勝ち。管理する中舘英二調教師はJRA重賞初勝利。2013年にNARファーストシーズンチャンピオンサイアーとなっている父パイロにとってもJRA重賞初勝利となった。

 絵笛牧場は1958年創業。現在、代表を務める松田直彦さん(52)の祖父、長治さんが馬を置いたのがきっかけだったと言う。先代の芳宏さんが本格的に馬産をはじめ、会社組織「絵笛牧場」としたのが2005年。現在は約10㌶の土地に繁殖牝馬10頭。いわゆる日高地方の平均的な家族牧場の規模で、ていねいな馬づくりを行っている。

 「本当に嬉しかったです。ゴールした瞬間は、胸にこみ上げるものがありました」。自宅のテレビで愛馬を応援していたという松田直彦代表が言葉を弾ませた。

 「パドックでは程よく気合を表に出しながら周回を重ねていましたが、レースでは本当に気分よく走っているように見えました。楽な手応えのまま4コーナーを回り、坂をあがってから後続を突き放したあたりで勝利を意識しましたが、何かが追い込んでくるのではないかと、最後までヒヤヒヤ。本当によく我慢してくれたと思います」とレースを振り返ってくれた。

 母ファインディンプルは不出走ながらも2009年のアーリントンC(G3)を制したダブルウェッジを産んだあと1頭の産駒を残したが、その後は不運が重なって思うように産駒を残せない日々が続き、絵笛牧場の門を叩いたのが2012年。以前から知り合いだったというダーレーのスタリオンマネージャーに勧められるままにパイロを配合したところ、受胎が確認されたという。「重賞勝ち馬の母親なんて、なかなか手に入らないしラストチャンスだと思って配合したら、受胎が確認されました。声をかけてくださった方にも感謝ですが、受胎が確認されたときは嬉しいというか、びっくりしたというのが本音です」と笑顔をこぼした。しかし、ファインディンプルの体調は本当ではなく、無事に出産させるまでは苦労が絶えなかったというエピソードも。「生まれ落ちたときは、牡馬かと思ったくらいに骨のしっかりした馬でした。馬格もあってバランスも良かったことから当歳市場に上場。そこで坂東牧場と巡り会った。

 「見出してくれて、また素晴らしい競走馬に育ててくれたことに感謝しています。今後、どのようなローテーションを歩むか分かりませんが、無事に走ってくれれば嬉しいです。もし仮にクラシック競走に出走できれば1992年の菊花賞(G1)(サンキンタツマー)以来となるんです」と夢を広げている。