2016年01月05日 中山金杯 G3
優勝馬:ヤマカツエース
プロフィール
- 生年月日
- 2012年03月22日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:15戦5勝
- 総収得賞金
- 444,652,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- ヤマカツマリリン by グラスワンダー(USA)
- 馬主
- 山田 和夫
- 生産者
- 岡田牧場 (静内)
- 調教師
- 池添 兼雄
- 騎手
- 池添 謙一
新年の最初のJRA重賞第65回中山金杯(G3)は先行馬を見るような位置で競馬を進めた3番人気ヤマカツエースが、逃げたマイネルフロストを3/4馬身差し切り優勝した。前走の福島記念(G3)に続く連勝で、重賞3勝目となった。
ヤマカツエースを生産したのは新ひだか町の(有)岡田牧場。同牧場三代目当主である岡田隆寛代表取締役は、自宅のテレビでレースを見ていた。「状態は良いと聞いていましたし、位置取りも良かったので安心して見ていられました。縁起の良いレースを勝てて良かったです。」と喜びの声を聞かせてくれた。「母馬は1200m戦を得意とした馬でしたが、ヤマカツエースに関しては徐々に距離を伸ばしていってくれた厩舎のやり方が良かったのだと思います。今なら距離が伸びても大丈夫だと思います。」と本馬の成長に嬉しそうだ。
(有)岡田牧場は57頭の繁殖馬を飼養する生産牧場だ。本場入口には立派な門柱がそびえ立ち、背の高い白樺並木が奥へと続く様は、老舗の厳かな空気を漂わせる。
(有)岡田牧場で生まれ育った本馬は、岡田代表が所有する(有)目名共同トレーニングセンターで調教を積んだ。2歳の2月頃に巣立ち、栗東トレーニングセンターへ入厩する。そして、6月の函館開幕2週目にデビューし、7月1週目に初勝利をあげている。早熟なタイプかと思ったが、「早い時期から使う方が良いタイプというわけではありませんでした。それでも2戦目で勝てたのは、能力だと思います。丈夫な馬でしたが、2歳の頃はまだ馬体が細かったです」と振り返った。「3歳の春頃から馬が変わってきました。厩舎がよく仕上げてくれたと思います。」と牧場へ休養に帰ってくる度に成長を見てきた岡田代表は頼もしそうに話してくれた。それでも昨夏の北海道開催期間に牧場から直接レースへ向かっていた頃は、まだ輸送の度に体重が減っていたそうだ。「近走体重が減らなくなったのは大きいと思います。」と言うように、今まさに充実の時を迎えようとしているのだろう。
牧場ではまもなく出産シーズンを迎えるが、ヤマカツエースの母ヤマカツマリリンは今年ジャスタウェイの仔を出産予定だ。既に様々な人から声をかけられているという。明け1歳馬の放牧地には半弟(父ヘニーヒューズ)がいた。岡田代表が「種馬に似て良い馬です」と太鼓判を押すように力強く丈夫そうな印象だ。1歳馬の責任者である國分元気さんも「骨太でヤマカツエース同様に扱いやすい馬。将来楽しみです。」と期待を膨らませていた。また、2歳馬の半妹(父ハービンジャー)は(有)目名共同育成トレーニングセンターで順調に調教を積んでいる。牝馬ながら迫力がありラインのきれいな馬体を前に「いい動きをしますよ。兄姉も仕上がりが早いので、早めにデビューできそうですね。」とヤマカツエースの成長も見守ってきた竹内一矢場長がやさしい笑顔で話す。ぜひとも兄に続いてもらいたい。
昨年の中山金杯(G3)覇者ラブリーデイは、ヤマカツエースの次走予定である京都記念(G2)を連勝。その後G1 2勝を含む重賞勝利を積み重ね、2015年度のJRA賞最優秀4歳以上牡馬に輝いた。父も同じキングカメハメハという似た境遇を本馬に重ね、競馬ファンの夢は膨らむ。「ここまできたら、この馬を応援してくれる人たちのためにも一戦一戦無事に頑張ってほしい。」と岡田代表はエールを送る。新年を絶好のスタートで決めたヤマカツエースの活躍に期待したい。