2015年12月16日 全日本2歳優駿(中央交流) Jpn1
優勝馬:サウンドスカイ
プロフィール
- 生年月日
- 2013年03月23日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:6戦4勝
- 総収得賞金
- 73,464,000円
- 父
- ディープスカイ
- 母 (母父)
- アンジェラスキッス(USA) by Gone West(USA)
- 馬主
- 増田 雄一
- 生産者
- フジワラフアーム (静内)
- 調教師
- 佐藤 正雄
- 騎手
- 戸崎 圭太
12月16日、川崎競馬場で第66回全日本2歳優駿(Jpn1)が行われた。このレースは南関東の2歳(旧3歳)チャンピオン決定戦として昭和25年に創設され、地方競馬で現存する最古の重賞レースだ。97年から全国指定交流競走となり中央馬も含めた2歳(旧3歳)ダートチャンピオン決定戦となった。過去にはアグネスワールド、アグネスデジタル、ユートピアなどが勝利している。
1番人気のサウンドスカイは中団でレースを進め、3~4コーナーで3番手まで上がり、最後の直線で前を交わして抜け出して、追い上げるレガーロを悠々と退けダートで負けなしの4連勝でG1制覇を達成し2歳ダートの頂点に立った。
優勝したサウンドスカイは、新ひだか町静内のフジワラファームの生産馬で父ディープスカイ、母アンジェラスキッス、その父Gone Westという血統。父ディープスカイにとって、これが産駒のG1初勝利となった。ディープスカイの競走成績は17戦5勝。2008年の東京優駿日本ダービー(Jpn1)、NHKマイルカップ(Jpn1)を制している。母アンジェラスキッスはフジワラファームの藤原俊哉社長がイギリスのトレーニングセールで購入した馬で31戦1勝という成績だ。
川崎競馬場に応援のため、ご子息の凌一さんや牧場スタッフ数名と共に駆け付けた藤原社長。佐藤正雄調教師から「調子良いよ」と近況を聞いていたので期待に胸を膨らませながら観戦していた。「これまでの競馬がそうだったように、中団くらいにつけて3~4コーナーから仕掛けていくだろうなと想像していました。良い末脚を使っての勝利でしたね。G1に勝っちゃったなぁ。良く頑張ったね!どうもありがとう、と声をかけてあげたい。」手塩にかけて育てた若駒の逞しい成長に笑顔が弾ける。
「生産牧場は生産した馬が勝利しても表彰されるわけではありませんが、レースを観ていた関係者の皆様から祝福の連絡やお花などをたくさん頂きまして、本当にありがたかったです。皆様のためにも頑張って行きます。」引き締まった表情で感謝の気持ちを口にした。
健康でやんちゃな性格だったという牧場時代のサウンドスカイは、病気やケガをする事なく育って行った。スタイルも器量も良い美しい姿を藤原社長は当時から気に入っていたそうだ。「今はまだ2歳ですし完全に身が入っていない状態ですが、これから完成されてくるとより良い馬になるのではないでしょうか。」と期待を寄せている。母アンジェラスキッスは現在マンハッタンカフェを受胎、当歳はネオユニヴァース、1歳は全兄弟のディープスカイが順調に育っていてこちらもデビューが楽しみだ。
昭和33年に開場したフジワラファームは、繁殖牝馬40頭、育成馬50頭、そして当歳と1歳それぞれ約35頭を約30名のスタッフが様々な工夫を凝らし世話をしている。生産、中期育成、調教育成を一貫して行い、静内御園と豊畑に広大な放牧地を所有、新冠に育成施設も完備している。
この1年を「牧場始まって以来の成績を残せた出来過ぎの年」と謙虚に振り返った藤原社長。「2歳、3歳が好調で3頭も重賞勝ちしましたし、皐月賞(G1)、ダービー(G1)、菊花賞(G1)等大きなレースを観戦しにスタッフを連れて行く事ができました。あの大観衆の中で自分達が携わった馬が頑張っている姿を見て刺激を受ける事が、今までやってきた事へのご褒美になればと思っています。」現場スタッフの努力が牧場の礎になっていると話す眼差しは何ともあたたかい。
「今年の結果に甘んじず来年は気を引き締めて臨みます。牧場での仕事は、つい先日まで放送していたドラマ「下町ロケット」のようにたくさんの挫折もあるでしょうが、それを乗り越えて更なる高みを目指します。大きなレースに勝った時の事を思うと力が湧いて活力がでますね。「人間が馬の能力をいかに損なわないで育てるか」という事を念頭に置き健康な馬を育てたい。日高の牧場、頑張らないとね。」
栗毛の好馬体でどっしりと構えたレース運びが印象的なサウンドスカイ。これからどんな成長をみせてくれるのかとても楽しみだ。