2015年11月03日 JBCクラシック(中央交流) Jpn1
優勝馬:コパノリッキー
プロフィール
- 生年月日
- 2010年03月24日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:18戦10勝
- 総収得賞金
- 995,144,000円
- 母 (母父)
- コパノニキータ by ティンバーカントリー(USA)
- 馬主
- 小林 祥晃
- 生産者
- ヤナガワ牧場 (門別)
- 調教師
- 村山 明
- 騎手
- 武 豊
地方競馬の最高峰・JBCクラシック(Jpn1)はコパノリッキーが逃げ切り、盛岡開催の昨年に続き、史上5頭目の連覇を飾った。
本馬の生産は日高町のヤナガワ牧場。昭和42年創業の牧場で、今年は本馬によるG1(Jpn1)・2勝と、キタサンブラックが菊花賞(G1)を制し、コパノリチャードやショウナンバッハがG1出走を果たしている。
同牧場の梁川正普代表はレース当日、現地・大井競馬場で観戦しており、菊花賞(G1)から僅か10日足らずでの生産馬Jpn1制覇を目の当たりにした。「優勝できて嬉しいです。故障明けの前走が3着で、今回は状態面の上積みもありましたね。強いメンバー相手でしたが、最高の結果を出してくれました」と、喜びを語った。
ゴールドアリュール産駒の本馬は、母コパノニキータの3番仔として2010年に誕生した。母は現役時代、JRAで3勝し、本馬同様ダートのマイル~中距離を得意とした。母の父はティンバーカントリーで、ゴールドアリュール×ティンバーカントリーという血統構成は今年の浦和・桜花賞、ロジータ記念を勝ったララベルも同じ。今年23歳となるティンバーカントリーは、今季限りで種牡馬生活を退くが、昨今は孫世代の活躍馬が目立っており、本馬以外にもラストインパクトやアドマイヤデウスがG1で奮闘している。
幼少期の本馬はヤナガワ牧場で生まれ育った後、新冠町万世にある小国スティーブルへ移動し、鍛錬が積まれた。同育成牧場は、G1(Jpn1)馬ラブミーチャンやコパノリチャード、G3勝ち馬ラブイズブーシェといった本馬と同じ小林祥晃オーナー所有馬や、今年G1を制したストレイトガール、レッツゴードンキが巣立った場所として知られる。
小国スティーブルの小国和紀代表も、JBC勝利に立ち会った一人。本馬については入厩当時から高い素質を感じていたという。「かたちの良い馬で、絵に描いたような理想的な姿をしていました。すごい馬が来たなと思いました。当然、上のクラスを意識していましたね。体は大きく、トモの柔らかさから、じっくり成長させる方針で調教していきました。暑さを苦手としていたので夏は無理せず、基本的には坂路を中心に乗り込みました。トレセンに入厩してから時計を詰めていけることを逆算して、伸びしろを残して送り出しました」と、振り返る。
小国スティーブル敷地内・周辺を見てみると、決して派手な調教施設が存在するわけではない。一方で、育成馬は2世代目からサクセスブロッケンらG1馬が登場し、その後も重賞馬が続いた。早くから結果を出した馬もいれば、古馬となって伸びる馬も現れ、牡馬でも牝馬でも、芝でもダートでもG1勝ちを成し遂げている。小国代表は「良い馬を預からせてもらった」と謙遜するが、それだけではないだろう。
牧場の強い馬づくりとして大事にしていることの一つが、優秀な人材による技術力という。元上山競馬場の調教師だった小国代表ならでは経験や知恵、腕利きのスタッフの努力は、まぎれもなく本馬をはじめとした育成馬の走りにつながったことだろう。本馬の育成に関しては、元騎手のスタッフがまたがっていて、立派な外見にふさわしい中身が、着々と備わっていったと想像する。
現在、小国スティーブルには本馬の全妹の1歳が入厩しており、小国代表は、「順調ですね。血統も全く同じですし、兄姉と比べても、この馬はリッキーに似ています。将来を楽しみにしています」と、笑みをこぼしていた。
さて、いよいよ迫ったダートの大一番・チャンピオンズカップ(G1)。昨年、1番人気で敗れた本馬にとって、リベンジの出走となる。結果次第では、2015年度JRA賞・最優秀ダートホースの座も近づいてくる。この秋、快進撃を遂げている日高町産馬として、故郷、ヤナガワ牧場に再び大きな勝利をもたらす可能性は十分あるだろう。梁川代表は、「G1は出るだけでも大変なことですからね。まずは無事に走ってきて欲しいと思います。昨年は残念でしたが、今年は良い走りを見せて欲しいです」と、彼らしいパフォーマンスを望んでいる。