2015年11月08日 AR共和国杯 G2
優勝馬:ゴールドアクター
プロフィール
- 生年月日
- 2011年05月18日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:12戦6勝
- 総収得賞金
- 743,244,000円
- 母 (母父)
- ヘイロンシン by キョウワアリシバ(USA)
- 馬主
- 居城 要
- 生産者
- 北勝ファーム (新冠)
- 調教師
- 中川 公成
- 騎手
- 吉田 隼人
フルゲート18頭中、重賞勝ち馬7頭という豪華メンバーが顔を揃えた「第53回アルゼンチン共和国杯(G2)」は、前走でオープン入りしたばかりの4歳馬ゴールドアクターが人気に応え重賞初勝利。秋のG1戦線に名乗りを上げた。
ゴールドアクターの故郷は、新冠町の北勝ファーム。同馬のオーナーでもある居城要氏のオーナーブリーディング牧場だ。現場を任されているのは田谷利夫場長と大川寛和さん。二人で11頭の繁殖牝馬を飼養している。
レース当日は牧場事務所に近隣の牧場主が集まり、賑やかな雰囲気だったそう。「前以て取材を受けていたんだけど、当日の競馬中継でウチの牧場が画面に映し出されると、あちこちから電話がかかってきてね。対応に追われていたらパドックを見逃してしまいました」と笑う田谷場長。近所の人たちと一緒に思い出話に花を咲かせながらレースの発走を待った。
雨が降りしきり、モヤで煙る東京競馬場。「府中の直線は長いけど、それ以上に、ものすごく長く感じました。間に合うのか?がんばれ!がんばれ!とみんなで声を張り上げました」直線先に抜け出したメイショウカドマツを一完歩ごとに追い詰め、ゴール板を通過した時はアタマ差封じ込めていた。「並ばれたら抜かさせない勝負根性があることはわかってましたけど、なかなか差が縮まらず、焦りましたね。私の寿命も縮んだんじゃないかな」と笑顔を広げた。
ゴールドアクターの母、ヘイロンシンは現在日本で唯一となってしまったキョウワアリシバ肌の現役繁殖牝馬。受胎が難しい馬で、ゴールドアクターは3番仔になる。「ヘイロンシンの母ハッピーヒエンという馬がとてもいい馬でね、障害馬を作ろうと隣の協和牧場でキョウワアリシバを種付けしたんです」。その思惑通りヘイロンシンは障害レースを2勝、障害重賞にも出走した。スタミナ自慢の母には長距離実績のある種馬が選ばれ、3番仔の父には新種牡馬スクリーンヒーローが抜擢された。
「スクリーンヒーローとヘイロンシンを配合して、こんな馬が生まれたらいいな、と思った通りの当歳でした。5月の遅生まれでしたが大きさも他馬に引けを取らず、何よりフワッと柔らかい筋肉に包まれていて、これはちょっとモノが違うなと感じたんですよ」と田谷場長は当時から期待の1頭だったことを明かした。今年はゴールドアクターの全妹が誕生しており、こちらにも期待をしている。
父スクリーンヒーローはアルゼンチン共和国杯(Jpn2)からジャパンC(G1)を連勝した。種牡馬となってからは春秋マイルG1連覇を成し遂げたモーリスを筆頭にグァンチャーレ、ミュゼエイリアンなどバラエティー豊かな重賞勝ち馬を量産中。初年度産駒であるゴールドアクターは父の蹄跡を辿り、さらなる飛躍の時を迎えた。次走は暮れのグランプリ・有馬記念(G1)を目指す。「札幌でのレースや菊花賞(G1)は現地に行かせてもらいました。有馬記念(G1)もぜひ応援に行きたいですね。あんな大舞台に生産馬を送り出せるなんて、馬をやってて本当に良かったなぁ、嬉しいです」と感慨深い面持ちで語った。