重賞ウィナーレポート

2015年11月14日 武蔵野S G3

2015年11月14日 東京競馬場 雨 稍重 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ノンコノユメ

プロフィール

生年月日
2012年03月28日 03歳
性別/毛色
牡/栃栗毛
戦績
国内:9戦6勝
総収得賞金
576,911,000円
トワイニング(USA)
母 (母父)
ノンコ  by  アグネスタキオン
馬主
山田 和正
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
加藤 征弘
騎手
C.ルメール

 ジャパンダートダービー(Jpn1)を勝ったとは言え、まだ3歳馬。歴戦の古馬も出走していたこの武蔵野S(G3)で、ノンコノユメに課せられた58㎏の斤量は、あまりにも過酷に思えた。しかし、東京競馬場の長い直線を、まさに飛んでくるかのように加速を続け、ゴール前では、僅かハナ差だけ先着。ここで勝利を掴むあたりが、ノンコノユメが、何かを「持っている」証明なのだろう。

 「ジャパンダートダービー(Jpn1)の後は、社台ファーム山元トレーニングセンターで調整を行ってきました。山元のスタッフからは『充実度合いが見て取れますし、以前よりも進化した状態で送り出せそうです』と聞いていたので、今回のレースは楽しみにしていました」とは社台ファームの東礼治郞調教主任。管理をする加藤征弘調教師からも、東調教主任の元には「一皮むけた印象があるし、パワーアップしているのは間違いない」との連絡があったという。

 それでも、3歳馬の斤量ではあまり聞いた事のないような58㎏での出走。JBCクラシック(Jpn1)もレース選択こそあったというが、これは間隔を取りながら、なおかつ、いきなり古馬を相手にG1挑戦はさせたくないとの意図があった。

 「正直、今回は多く望まず、次に繋がる競馬をしてくれればとの思いがありました。加藤先生や山元のスタッフが話していたように、馬の充実ぶりは見て取れましたし、勝ち負けと言うより、試金石となるようなレースはできると思ってはいました」(東調教主任)

 そんな思いでレースを見ていた東調教主任だが、最後の直線で思わず目を疑うことになる。大外からどんどんスピードを上げてきたノンコノユメは、先に抜けだしたタガノトネールを捕らえてみせたのだ。

 「ゴールの瞬間は、勝ったというよりも「負けている競馬だったのに…」と呆気に取られました。これで4連勝となりましたが、レースの度に進化しているような印象も受けます」(東調教主任)

 その末脚のようなノンコノユメの快進撃だが、東調教主任は2勝目となった4戦目の500万下のレースがここに繋がっていると分析する。

 「この勝利でローテーションを組みやすくなったのは間違いありません。ちょうど、C.デムーロ騎手が短期免許を取得したタイミングでもありましたし、あのレースを勝てたことが、ターニングポイントとなっている気がします」(東調教主任)

 その愛らしい馬名には似つかわしく無いような豪快な末脚。この勝利で更なるファンを獲得した感もあるノンコノユメが次に挑むのは、自身2度目のG1/Jpn1となるチャンピオンズC(G1)。武蔵野S(G3)で古馬を一掃した末脚は、長い直線が舞台となる中京競馬場でこそ、更に破壊力を増しそうだ。