2015年11月03日 JBCスプリント(中央交流) Jpn1
優勝馬:コーリンベリー
プロフィール
- 生年月日
- 2011年04月13日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:16戦7勝
- 総収得賞金
- 257,461,000円
- 母 (母父)
- コーリンラヴィアン by ミシックトライブ(USA)
- 馬主
- 伊藤 恵子
- 生産者
- 今井牧場 (門別)
- 調教師
- 小野 次郎
- 騎手
- 松山 弘平
3日、大井競馬場で行われた第15回JBCスプリント((Jpn1)、3歳上・ダ1200m)は、抜群のダッシュを利かせ、あっという間に主導権を握った3番人気コーリンベリーがそのままゴールまで逃げ切り重賞2勝目、初のG1制覇を果たした。牝馬による本レース優勝はこれが初めて。また、コーリンベリーの父サウスヴィグラスは2003年の第3回JBCスプリント(G1)(大井)を勝っていて父子制覇達成となり、鞍上の松山弘平騎手、本馬を管理する小野次郎調教師にとっても初めての重賞初勝利がG1勝ちと、嬉しい記録づくめの勝利となった。
コーリンベリーは、日高町にある今井牧場の生産馬で、父サウスヴィグラス、母コーリンラヴィアン、母の父ミシックトライブという血統。父サウスヴィグラスはアドマイヤムーンやラインクラフト、スイープトウショウなど、種牡馬として大成功したエンドスウィープ直仔の外国産馬で、筋肉質な馬格から繰り出すスピードを武器に、重賞8勝をあげる活躍をした。母コーリンラヴィアンは今井牧場生産で、名古屋の厩舎に所属していた3歳~4歳時は15戦11勝2着2回という着外なしの驚くべき強さを誇っていた。
今井牧場代表今井敏之さんは奥様と自宅のテレビでレース観戦していた。「10キロプラスの出走でしたが心配はしていませんでした。強い牡馬が2頭出走していたので油断できなかったですよ。今回はいつものレース運びと違い、4コーナーを周った時に前に出て突き放しにかかったので、このままいけば勝てるかもしれないと思いました。直線では思わずテレビの前に駆け寄って応援していましたよ、何とかゴールまでもって欲しいと思って。ゴールしたのを見届けたらもう嬉しくて嬉しくて。何とも言えない万感の思いだった。」開場して49年目の今年、初めてのG1勝利に今井さん夫婦は感激し咽び泣いたそうだ。
「息子(伸明さん)は大井競馬場に応援に行っていたのでレース後にコーリンベリーに会いに行き、顔を撫でたら優しい眼差しで見つめ返してくれたと言っていました。その可愛らしい仕草を見ていたら思わず涙があふれて来たみたいです。」当歳が3~4頭しかいない頃だったため、確り手間暇かけて育ててきた愛馬の活躍に色々な思いがこみ上げて来たのだろうか。
当歳の頃、コロッとした体型で性格がものすごく良い馬だったというコーリンベリーは、人間に従順で賢かったそうだ。「育成牧場でも中央にあがってからも、優等生で利口で大人しくて馬体も良くて、とにかく褒められっぱなし。みんなに可愛がられて大切にしてもらっていました。厩務員さんには「一緒に寝てあげたい」と言われていたくらい。体型は調教が進むにつれてどんどん良化し、レースに使うたび10キロ20キロと増えて行きましたが、小野調教師は「成長過程だから心配ない」と言っていました。食欲旺盛は今も変わらず筋肉がしっかりついているみたいです」前向きな姿勢と食の太さが強さに繋がっているのかもしれない。
昭和41年にアラブ1頭から競走馬の生産牧場をはじめ、丹精込めて馬を育ててきた今井敏之さんだが、母コーリンラヴィアンの気性の荒さには手を焼いていたのと自身の年齢的な事もあり、今年の春、前谷ファーム代表前谷武志さんにコーリンラヴィアンを託した。「前谷ファームは今年のせりで2,500万円の値がついた馬を生産した牧場です。父の特徴を上手く出した仔を産むコーリンラヴィアンを「俺の分まで頼む」とお願いして来ました。」
バトンを受け取った前谷ファームの若き後継者前谷卓也さんは「自分を持っている馬ですね。今井さんから託され責任重大ですが来春にはゴールドアリュールの仔を出産予定なので楽しみにしています。」と、新しい出会いに期待をよせている。
関わる全ての人に愛され大切にされて、それに応えるように力強く成長を続けるコーリンベリー。そのスピードに磨きをかけてますます活躍していってほしい。