2015年11月01日 天皇賞(秋) G1
優勝馬:ラブリーデイ
プロフィール
- 生年月日
- 2010年01月30日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:25戦9勝
- 総収得賞金
- 798,195,000円
- 馬主
- 金子真人ホールディングス (株)
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- 浜中 俊
完勝と言っていいG1 2勝目だった。第152回天皇賞(秋)(G1)。自身を含むG1馬5頭が揃ったハイレベルなレースを制したのは、今年の宝塚記念(G1)の優勝馬であるラブリーデイ。今年に入ってからG1 2勝を含め、これが重賞6勝目。なお、5歳時に重賞6勝をあげた馬は史上初めてとなる。
「あのメンバーを相手にした場合には不利だけでなく、ロスがあっても勝ちきれないと思っていました。それだけにいい位置で競馬をしてくれたジョッキーの好騎乗であり、勝負どころで反応良く動けるような状態に仕上げてくれた厩舎スタッフの皆さんにお礼を言いたいです」とは育成調教を手がけた、ノーザンファーム早来牧場の横手裕二調教主任。ラブリーデイのことでお話を聞くのはこれで6回目。
「それだけ多くのレースに出走して、そして結果を残しているということですからね。頭が下がります」と会話の中から笑顔もこぼれる。
レースは好位から4枠8番という絶好の位置からスタートすると、好位に付けてからの直線では早めの抜けだし。しかも上がり3ハロンを33秒7の脚でまとめられては、後続の出番は無いに等しいと言える。
この天皇賞(秋)(G1)もそうだが、ラブリーデイはスタートしてから5番手以内をキープすることが非常に多い。ここには、育成時から見せていた、「行きっぷりの良さ」が関係していた。
「元々前向きな馬であり、それは調整先である(ノーザンファーム)しがらきでも変わっていないようです。先日、向こうのスタッフと話すことがあったのですが、今でも楽をさせた後の調教では、押さえきれない程の乗り味があるそうです」(横手調教主任)
その姿は若々しいとも言えるのだろうが、それにしても2歳の夏にデビューを果たした馬が、ここに来て本格化するというのもなかなか無い話でもある。
「過去に手がけていた育成馬に、8歳になってからG1を連勝したカンパニーがいますが、また違った成長力と言えます。先日、秋田(博章)顧問が実際に馬を見て来たのですが、『ここにいた頃よりもがっしりしてきて、父のキングカメハメハを彷彿とさせてきた』とも話していました」(横手調教主任)
話に出てきたラブリーデイの父キングカメハメハもまた、横手調教主任が牧場時に育成を手がけてきた馬。父は故障もあって3歳時に引退を余儀なくされたが、ラブリーデイが古馬となってからの成長力を、その競走成績で証明してくれているとも言えそうだ。
ラブリーデイは次走にジャパンC(G1)を予定。その後は有馬記念(G1)の出走も視野に入っているが、年間重賞8勝は、あのテイエムオペラオーとタイ記録。それでも、心身共に充実期を迎えた今のラブリーデイなら、その記録も易々と達成しそうな気がしてならない。