2015年10月01日 Lプレリュード(中央交流) Jpn2
優勝馬:サンビスタ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月18日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:26戦10勝
- 総収得賞金
- 376,257,000円
- 馬主
- (株) ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
- 生産者
- グランド牧場 (静内)
- 調教師
- 角居 勝彦
- 騎手
- 岩田 康誠
『グランダム・ジャパン2015』古馬シーズンの最終戦は、大井競馬場が舞台の「レディスプレリュード(Jpn2)」。今年は本番の「JBCレディスクラシック(Jpn1)」が同条件で実施されることもあり、その結果が例年以上に注目される一戦となった。レースは道中先行馬を見るような位置につけたサンビスタが直線で抜け出し、通算5つ目の重賞タイトルを手中にした。
「角居勝彦調教師、厩舎スタッフの皆さんが良い状態に仕上げてくださったので、この馬の強い走りを見せることができたのではないかと思います。岩田康誠騎手の好判断も素晴らしかったですね」と陣営に賛辞の言葉を送るのは、サンビスタの生産者・グランド牧場(新ひだか町静内)の伊藤佳幸社長。当日は現地で歓喜の瞬間に立ち会い、レース後は関係者や多くのユニオン・オーナーズ・クラブ会員と喜びを分かち合いながら口取り写真の撮影に加わった。
この勝利によってサンビスタの総獲得賞金額は2億6446万円(付加賞金含む)となり、同クラブの募集馬としては歴代最高を記録。「毎年何頭かを募集馬としてクラブへ提供していますが、このような結果を出すことができてホッとしています。サンビスタはデビュー前から期待の高い馬でしたが、その期待に違わぬ活躍を見せてくれましたね」と心境を語る。
クラブの規定により、本来であれば牝馬は6歳2月をもって引退することになっているが、同馬に関しては「この歳になって本格化してきた」(伊藤社長)ということで、現役生活を1年間延長した経緯がある。その言葉通り、6歳になって「TCK女王盃(Jpn3)」「マリーンカップ(Jpn3)」「レディスプレリュード(Jpn2)」とダートグレード競走を3勝。下の世代からもダートを得意とする優秀な牝馬が続々と出てきているが、女王の座はまだまだ譲らない構えだ。
サンビスタは、父スズカマンボ、母ホワイトカーニバルともに同牧場の生産馬とういう生粋の“グランド牧場ブランド”を背負って2009年に誕生。母は現役時代、2002年の「フェアリーS(G3)」を制して「桜花賞(G1)」へも駒を進めた活躍馬。繁殖牝馬としても、ここまでデビューした6頭の産駒のうち5頭が中央・地方で勝ち上がっており、自らの高い能力をその仔たちに伝えてきている。15歳となった今も元気に繁殖生活をつづけており、今春にはサンビスタの全弟(父スズカマンボ)を出産。母によく似た芦毛の仔で、毎日元気一杯に放牧地を駆け回っているそうだ。
父スズカマンボは、2005年の「天皇賞(春)(G1)」を制するなど重賞2勝の実績を残し、2007年より種牡馬入り。2年目産駒のサンビスタとユーロビートがダートグレードホルダーとなっているほか、3年目産駒のメイショウマンボが「優駿牝馬(オークス)(G1)」「秋華賞(G1)」の牝馬二冠に加え、古馬相手に「エリザベス女王杯(G1)」も制するなど、芝・ダート問わず多くの活躍馬を送り出してきた。残念ながら今年2月、心不全でこの世を去ってしまったが、残した産駒には牝馬の活躍馬も多く、その優秀な血は次世代へと受け継がれていくことだろう。「息の長い活躍をする傾向がありますし、スズカマンボ自身の持つ筋肉の柔らかさが伝わっていけば、ブルードメアサイアーとしても名を挙げてくれそうですね。うちの牧場からもサンビスタのほか、ピッチシフターやパワースポットなど多くの活躍牝馬が出ていますので、どんな種牡馬が合うのかを考えると、今から楽しみです」と、伊藤社長はブリーダーとしての展望を語る。
サンビスタの次走は、11月3日に行われる大一番「JBCレディスクラシック(Jpn1)」。前哨戦を快勝し、連覇へ向けて視界は良好だ。「まずは無事にレース当日を迎え、連覇を目指してほしいと思います」と愛馬にエールを送り、グランド牧場のスタッフ全員でその瞬間を心待ちにしている。