重賞ウィナーレポート

2015年10月04日 スプリンターズS G1

2015年10月04日 中山競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ストレイトガール

プロフィール

生年月日
2009年03月12日 06歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:27戦10勝
総収得賞金
545,424,000円
フジキセキ
母 (母父)
ネヴァーピリオド  by  タイキシャトル(USA)
馬主
廣崎利洋HD (株)
生産者
岡本牧場 (浦河)
調教師
藤原 英昭
騎手
戸崎 圭太

 ドロドロの不良馬場で行われた昨年春の高松宮記念(G1)3着。昨年のスプリンターズS(G1)は抜け出したところをスノードラゴンの強襲にあって2着。遠征した香港では日本馬最先着を果たしたものの勝ち馬から1馬身少々の3着。春のヴィクトリアマイル(G1)で溜飲を下げたものの、ストレイトガールにとってスプリントG1は是が非でも欲しかったタイトルではないだろうか。国内最後の1戦に選んだのが、5度目のスプリントG1挑戦となる「第49回スプリンターズS(G1)」だった。

 「状態に関しては、完璧に見えました。藤原英昭厩舎の方々やイクタトレーニングセンターほか関わってくれた人たちに感謝しています」。、中山競馬場のパドックで変則的に9番アクティブミノルの後ろを気合を見せながら歩くストレイトガールの姿を見て生産者の岡本牧場、岡本章さんはそう思ったそうだ。

 「いつも思うのですが、自分はオーナーから馬をお預かりして、オーナーが選んだ種牡馬を配合して1歳の秋に送り出しただけ。この晴れやかな舞台に一緒に立たせてもらってよいのかなって。今回もそんなことを思っていました」という。

 「あっ!」と思ったのはスタートだったという。1枠2番からのスタートだったためにたた立ち遅れるように後方に取り残される愛馬が確認できた。「あとでパトロールフィルムを見せてもらったら、不利があったそうです。落ち着いて馬群をさばき、そして馬の能力を引き出してくれた戸崎騎手のファインプレーも凄いと思いました。言うまでもなく一流ジョッキーですけど、改めて凄いなって、そう思いました」。突き抜ける愛馬を見ながら頭に浮かんだことは「こんなすごい馬にたずさわることができて、感謝の気持ち。それだけです」。

 しかし、ストレイトガールは岡本牧場の歴史を映し出す鏡のような馬でもある。3代母タイセイカグラは、桜花賞馬シャダイカグラと2歳違いの妹。JRAの2勝馬でもある。そんな貴重な血統を迎え入れることができたのは伊藤雄二元調教師のおかげだという。周囲の人たちの力を借りながらも、その血統を大切に育てて大きな花を咲かせた。「タイセイカグラっていう馬は本当に賢い馬で、子育ても上手な馬でした。オースミコスモ(重賞3勝)オースミブライト(皐月賞(G1)2着)の母として牧場を助けてくれました。もちろん、2頭を育ててくれた中尾正先生には感謝という言葉以外ありませんし、そういう人たちのつながりで廣崎オーナーとも知り合うことができました」。

 岡本さんが言うように「結果が出なければ、認められない世界」。そのために牧場としてできることを精一杯やっている。

 目指しているのは「馬が、人を信頼できるような馬づくり」だ。