2015年08月09日 小倉記念 G3
優勝馬:アズマシャトル
プロフィール
- 生年月日
- 2011年04月05日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦4勝
- 総収得賞金
- 145,948,000円
- 馬主
- 東 哲次
- 生産者
- 下河辺牧場 (門別)
- 調教師
- 加用 正
- 騎手
- 松若 風馬
サマー2000シリーズ第3戦、第51回小倉記念(G3)は格上挑戦ながら56キロのハンデを背負った6番人気の4歳馬、アズマシャトルが外から一気に脚を伸ばし、豪快な差し切り勝ちで重賞初制覇。騎乗したデビュー2年目の松若風馬騎手も嬉しい重賞初Vを飾った。
アズマシャトルは日高町門別にある名門下河辺牧場の生産馬。3冠牝馬スティルインラブ、桜花賞馬アユサン、オークス馬ダイワエルシエーロなど牝馬のG1馬が印象深いが、昨年のマイルチャンピオンシップ(G1)勝ち馬ダノンシャークを筆頭に、牡馬の活躍も負けてはおらず、レッドスパーダ、ダッシャーゴーゴーなど書き出したらキリがないほど多くの活躍馬を送り出している。
レース当日、下河辺行雄さんは遠く離れた札幌競馬場でモニター越しに声援を送った。「追い切りを見ていても良く動いていましたし、減っていた馬体重も元に戻って馬が充実したように見えました。2歳の新馬勝ちから順調にレースを使い、日本ダービー(G1)まで駒を進めた馬ですから、思い入れは強いです。派手さはないけど堅実な馬ですし、まだ4歳。これからもっとレベルアップしてくれると期待しています」と重賞ウイナーの仲間入りを果たした生産馬を称えた。
アズマシャトルの母ブレッシングはスティルインラブの半姉にあたり、米国から日本にやってきた祖母ブラダマンテにとって最初の後継繁殖牝馬となった。「この血統ですから、当然期待の繁殖牝馬でその年その年トップクラスの種馬を選んで配合しました。ブレッシングはその父マルゼンスキーということもあって若い頃は激しい気性の持ち主でしたが、子供には優しく良いお母さんなんです」と紹介してくれた。ブレッシングは現在21歳、すっかり毒気が抜けておっとりした優しい表情を浮かべていた。
子出しも素晴らしく、繁殖入りしてから毎年子供を成している母の12番仔として誕生したのがアズマシャトルだ。「ブレッシングはどちらかというと種馬の特長を引き出している印象で、毎年タイプがバラバラでした。アズマシャトルもドシッとボリュームがあって父似ですね。今年生まれた全妹も牝馬ですがボリューム満点な体をしていて、当歳時のアズマシャトルと良く似ていますよ」と振り返った。離乳を経て中期育成、調教育成とステージを移しても全く手がかからず、順調そのものだったそうだ。
調教育成を担当する下河辺隆行さんは「2歳の秋口にここを出て行き、2か月後の新馬戦で勝ってくれた時は嬉しかったです。順調過ぎてエピソードらしいエピソードはないんですよね。ダービー(G1)出走後、一度休養で戻ってきたんですが、その時も何事もなく…ビックリするほど扱いやすい馬なんです」と教えてくれた。
怪我や病気もなく、ワガママを言って人の手を煩わせることもなく、生まれてからずっと優等生のアズマシャトル。この秋、みんなをアッと言わせる大飛躍を遂げることだろう。