重賞ウィナーレポート

2015年08月23日 北九州記念 G3

2015年08月23日 小倉競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ベルカント

プロフィール

生年月日
2011年03月02日 04歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:15戦5勝
総収得賞金
260,703,000円
サクラバクシンオー
母 (母父)
セレブラール  by  ボストンハーバー(USA)
馬主
前田 幸治
生産者
土居 忠吉 (三石)
調教師
角田 晃一
騎手
武 豊

 真夏の電撃戦。サマースプリントシリーズ第4戦「第50回北九州記念(G3)」は好スタートから先行した新ひだか町の土居忠吉氏生産の2番人気ベルカントが直線早めに抜け出して後続の追撃を完封。前走アイビスサマーダッシュ(G3)に続いてサマースプリントシリーズ2連勝。同シリーズの暫定トップに躍り出るとともに、通算成績を14戦5勝(重賞4勝)とした。

 小倉競馬場で前田幸治オーナーとともにレースを観戦した土居牧場の土居正芳さんは「アイビスサマーダッシュ(G3)は強い勝ち方でしたが、今度はコースが変わりましたし、ハンデ戦。心配な面もありましたが、前田オーナーから聞いていたとおりに調子も引き続き良さそうで強い競馬だったと思います」と強さと安定性を増した生産馬の強さに舌をまいた。

 「オーナーからはおめでとうと声をかけていただきましたが、こちらからもおめでとうございますと申し上げました」。喜びを共有したという。

 土居牧場は、正芳さんの祖父にあたる唯男さんが63年に創業。現在は、約30ヘクタールの土地を使って、土居忠吉さんと正芳さん親子とその家族で、自己所有と預託繁殖牝馬あわせた約20頭繁殖牝馬をけい養している。50年の歴史の中で07年のダイヤモンドS(Jpn3)3着馬のアドバンテージや、13年の北九州記念(G3)2着馬ニンジャのほか、80年代には中津ダービーを制したカヌートキングなどを送り出してきた。現在では、中心となっている正芳さんがノースヒルズに勤務していた経験があることから“ノースヒルズ流”を多く取り入れて実践しているそうだ。

 「ベルカントの祖母にあたるモンローウォークはノースヒルズから譲っていただいた馬です。セレブラールもノースヒルズマネジメントの所有馬でしたが、牧場に戻していただきました。そういう経緯から初めての種付の時には現役時代に所有していただいたノースヒルズの方に相談して、母の良いところを伸ばそうと選んだのがサクラバクシンオーでした。当歳時から骨量に恵まれ、アカ抜けた馬体の持ち主。全体的には品のある馬でしたが、不確定要素の多い馬産でこれほどうまくいくとは」と喜んでいる。

 その後、当歳秋まで土居牧場で過ごしたベルカントはその後、ノースヒルズグループに引き取られて競走馬の道を歩むことになる。

 「この馬がここまでこれたのは、角田調教師や、前田オーナーをはじめとするノースヒルズグループの方々のおかげです。次はもっと強い馬たちとの競馬になると思いますが、そういう方々のためにさらに上を目指して頑張ってほしい」と夢を託している。