重賞ウィナーレポート

2015年07月26日 中京記念 G3

2015年07月26日 中京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スマートオリオン

プロフィール

生年月日
2010年03月15日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:23戦7勝
総収得賞金
185,001,000円
グラスワンダー(USA)
母 (母父)
トロピカルレディー  by  ウイニングチケット
馬主
大川 徹
生産者
いとう牧場 (門別)
調教師
鹿戸 雄一
騎手
M.デムーロ

 2015年サマーマイルシリーズの第1弾「第63回中京記念(G3)」は、日高町のいとう牧場が生産した6番人気のスマートオリオンが先行策、早め先頭から後続の追撃を抑えて優勝。昨年のオーシャンステークス(G3)以来、2つめの重賞勝ちで、通算成績を23戦7勝とした。

 スマートオリオンの父グラスワンダーは、種牡馬として昨年のオーシャンステークス(G3)以来の重賞勝ちで通算29勝目。この勝利が産駒デビューの2004年から12年連続のJRA重賞勝ちとなった。

 スマートオリオンを生産したのは日高町豊郷のいとう牧場。家族だけで15頭前後の繁殖牝馬を養う中規模牧場で、創業は1940年。その歴史の中でNHK杯(G2)優勝ナムラコクオーや、アンタレスS(G3) 優勝でチャンピオンズカップ(G1)2着ナムラビクターなどを送り出している。

 当主の伊藤真継さんは、牧場仕事に追われる合間にテレビで愛馬を応援していたという。「家族だけですから、なかなか留守にはできないのです。馬には申し訳ないとは思っているのですが」と話し「ずっと短い距離ばかり使ってきた馬ですから、未勝利戦以来の1600㍍の距離ですとか、重賞を勝たせてもらってからなかなか楽な競馬をさせてもらえない相手関係から、勝てるイメージはなかったです」と照れた。

 しかし、愛馬は良い意味で生産者の期待を裏切る頑張りを見せた。スタート直後の一瞬は、ハナに立とうかという勢い。「デムーロ騎手がうまく控えてくれたと思います。最後の直線で、早めに抜け出したあとは、とにかく頑張れ、頑張れという思いでした」。直線のなかばでは確信とまではいかないものの「勝てるかも」と思った瞬間に、後続が一気に迫ってきた。

 「ヒヤっとしましたが、先頭でゴールを駆け抜けたのは確認できました。いま、思えば強い内容だったと思います」笑顔になった。

 「全兄のスマートギャングが産まれたときから素晴らしい馬だったんです。2歳時に2連勝してG1競走にまで出走してくれました。それでいつかはもう1回グラスワンダーを配合しようと思い、生まれたのがこの馬です。兄同様にバランスがよく、見栄えのする馬でした」。自信をもってセレクトセールに上場し、スマートギャングを所有してくれたオーナーの目にとまった。

 「鹿戸先生にも、大川オーナーにも気に入っていただいた馬です。少しでも恩に報いることができて良かったと思います。サマーマイルのタイトルを目指して欲しい気持ちもありますが、暑い夏ですから体調を崩すことなく、このあとも無事に走ってほしい」という親心をちらりと見せながら、さらなる活躍を祈っている。