重賞ウィナーレポート

2015年05月17日 ヴィクトリアマイル G1

2015年05月17日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ストレイトガール

プロフィール

生年月日
2009年03月12日 06歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:25戦9勝
総収得賞金
545,424,000円
フジキセキ
母 (母父)
ネヴァーピリオド  by  タイキシャトル(USA)
馬主
廣崎 利洋
生産者
岡本牧場 (浦河)
調教師
藤原 英昭
騎手
戸崎 圭太
  • 町役場に掲げられた垂れ幕
    町役場に掲げられた垂れ幕
  • 牧場看板
    牧場看板

 名は体を表すというが、マイル女王決定戦のヴィクトリアマイル(G1)で、東京競馬場の長い直線を矢のように伸びたのは戸崎圭太騎手がエスコートしたストレイトガールだった。

 これまで国内G1競走で4戦して2着1回3着2回。昨年末の香港スプリント(G1)では日本馬最先着の3着と健闘し、帰国後の高松宮記念(G1)でも1番人気。誰もが実力を認めながらも、なかなかビッグタイトルには縁がない存在だった。

 同馬を生産したのは浦河町の岡本牧場。創業は昭和6年という老舗牧場だ。現在は岡本章社長夫妻が、6頭の繁殖牝馬を繋養している。

 今回、岡本社長は舞台となった東京競馬場で最高の瞬間に立ち会うことができた。「見ていたのはゴール前150mくらい前です。ですから、目の前を通り過ぎたときは届くかどうかわかりませんでした。あとはよく覚えていませんが、ゴールしたときは“勝った”と思ったから、ターフビジョンで見ていたのでしょうね」。

 「嬉しい。そのひとことです。これまで何度もファンの方々にご迷惑をかけてきたので、今回はその期待に応えることができてほっとしました。これもレースに向けて仕上げてくれた厩舎スタッフのおかげだと思いますし、この馬にたずさわったすべての人に感謝したい」と喜びを表現した。

 ストレイトガールの3代母タイセイカグラは、1989年の桜花賞馬シャダイカグラの半妹だ。現役時代はダートの短距離レースで2勝をあげたのみだが、岡本牧場と懇意にしていた伊藤雄二調教師(当時)の口利きで岡本牧場に迎え入れられた。タイセイカグラは1999年の皐月賞(G1)2着オースミブライトや重賞3勝オースミコスモ、ストレイトガールの祖母フューチャハッピーなどの母となって期待に応えている。

 「廣崎オーナーを紹介してくれたのも伊藤先生です。素晴らしいオーナーをご紹介いただいたことに感謝すると同時、こうして恩返しをすることができて嬉しいです」。

 牧場時代のストレイトガールは「小柄な牝馬だったということを除けば、健康でケガや病気とは無縁の馬でした。ですから、逆にあまり印象に残らないような馬でした。」という返答。デビューして間もないころ、輸送が苦手で持てる力を出しきれないときもあったが「藤原先生がしっかりと休ませてくれたからこそ、今のストレイトガールがあると思います」。4歳夏、満を持して函館競馬場に姿を見せたストレイトガールは最下級条件戦から破竹の4連勝。重賞のキーンランドC(G3)こそ2着だったが、翌年春のシルクロードS(G3)では苦手な輸送を克服してトップスプリンターへとのぼりつめた。

 「ストレイトガールが自分の手を離れてからずいぶんと時間が経ってしまいましたので、今回の勝利は馬と、今の関係者の方々から大きなプレゼントをしてもらったような気分です」と少し照れ臭そうに笑い「次の目標がどこか聞いていませんが、ゆっくり休んで次に備えてほしいです」とエールを送っている。