重賞ウィナーレポート

2015年03月28日 日経賞 G2

2015年03月28日 中山競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アドマイヤデウス

プロフィール

生年月日
2011年06月06日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:10戦5勝
総収得賞金
262,324,000円
アドマイヤドン
母 (母父)
ロイヤルカード  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
近藤 利一
生産者
辻 牧場 (浦河)
調教師
橋田 満
騎手
岩田 康誠

 過去10年で出走馬から3頭の勝馬を出すなど、天皇賞(春)(G1)を目指すステイヤーたちにとっての重要な1戦「第63回日経賞(G2)」は、中団の外目を進んだ4番人気のアドマイヤデウスが直線大外から脚を伸ばし、日経新春杯(G2)に続く重賞2連勝。通算成績を10戦5勝(重賞2勝)とし、天皇賞(春)(G1)の有力候補に躍り出た。

 アドマイヤデウスの生まれ故郷は浦河町の辻牧場。日高でも有数の歴史を持つ老舗牧場で創業は1910年(明治43年)。当初は中間種、アラブなどを繋養していたそうだが、昭和初期からサラブレッドを導入。戦中、戦後の混乱期を経るその長い歴史の中で、ハイレコード(50年菊花賞)タイセイホープ(58年皐月賞)ヒロキミ(62年菊花賞)ニホンピローエース(66年皐月賞)インターグロリア(77年桜花賞、エリザベス女王杯)などを送り出してきた。現在は浦河、様似に複数の分場、育成牧場を持ち、繋養繁殖牝馬は約50頭。その中からアドマイヤフジ(06年日経新春杯(G2)、08、09年中山金杯(G3))アドマイヤコスモス(11年福島記念(G3))ヒラボクキング(12年平安S(G3))、一昨年のNAR年度代表馬ハッピースプリントなど毎年のように重賞勝馬を送り出している。

 牧場事務所でレースを観戦していたという辻助(つじ・たすく)さんは、その第一声で「アドマイヤデウスは、父のアドマイヤドンも、母ロイヤルカードも、そして祖母のアドマイヤラピスも近藤利一オーナーの馬です。同一オーナーの所有馬同士の配合で、また重賞競走に勝てるというのは本当に稀なこと。馬を預けていただいたオーナーの恩に報いることができてほっとしています」と話し「牧場時代は、本当に線のきれいな馬で、ケガや病気とは無縁で扱い易かったです。アドマイヤケルソの全弟という血統からも期待の大きな馬でしたから、こうして活躍してくれると牧場としても励みになります」と喜びを表現している。

 話に出てきた母ロイヤルカードはアドマイヤフジやアドマイヤホープ(全日本2歳優駿(G1))の半姉。繁殖牝馬として前出のアドマイヤケルソ(アルゼンチン共和国杯(G2)4着)ほかアドマイヤドバイ(きさらぎ賞(G3)3着、ラジオNIKKEI賞(G3)3着)やアドマイヤダンク(桶狭間S)など高いレベルの馬を送り出す優秀な母親で、現在はルーラーシップを受胎している。

 そんなアドマイヤデウスを見守る辻さんがもっとも嬉しかったのは、愛馬の卓越したレースセンスだったという。「追い込み馬が逃げるという展開で、道中はかなりスローペースになる場面もありましたが、きっちりと折り合うことができたので、末脚をいかすことができたと思います。岩田騎手はじめ厩舎関係者のおかげです」と声を弾ませ「こういう競馬ができるのなら、もっとを上を目指せるはず」と期待に胸を膨らませている。