重賞ウィナーレポート

2015年03月21日 ファルコンS G3

2015年03月21日 中京競馬場 晴 稍重 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タガノアザガル

プロフィール

生年月日
2012年01月23日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
65,123,000円
バゴ(FR)
母 (母父)
ライアメロディー  by  アドマイヤベガ
馬主
八木 良司
生産者
有限会社新冠タガノファーム (新冠)
調教師
千田 輝彦
騎手
松田 大作
  • 広い放牧地と掃除が行き届いた厩舎
    広い放牧地と掃除が行き届いた厩舎
  • ストレスとは無縁の空間だ
    ストレスとは無縁の空間だ
  • 木彫りのフクロウが迎えてくれるエントランス
    木彫りのフクロウが迎えてくれるエントランス

 2012年の中京競馬場リニューアル時から1400m戦と変更になって3歳マイル王決定戦の前哨戦的意味合いを持つようになった「第29回中日スポーツ賞ファルコンS(G3)」は、先団のインコースを進んだ14番人気タガノアザガルが、直線では前を行く馬と激しい追い比べ。最後は3頭が横一線に並ぶデッドヒートになったが、ハナ差先着して初の重賞タイトルを手中にした。

 生産した新冠タガノファームにとっては、昨年のデイリー杯2歳S(G2)(勝馬タガノエスプレッソ)以来の重賞勝利で今年初勝利。昨年のファルコンS(G3)をタガノグランパで制しており、同レース2連覇となった。

 牧場で吉報を聞いた同ファームの田沼正美場長は「ちょうど出産、お産の時期で繁殖牝馬の状態を獣医師の方に確認いただいているような時間帯でしたので、レースの時間だけテレビで応援していました。牧場時代は、素直で扱い易く、人の手を煩わせることがなかった馬。それだけに、あれだけの根性があったことに驚いています。ゴール前は、本当によく我慢してくれました」と生産馬の優勝に頬を緩ませた。

 母ライアメロディーは白老ファーム(当時)の生産馬。わずか3戦のキャリアで競走生活を終えたが、曾祖母ナタルマからアルマームードにさかのぼるファミリーでデインヒルやノーザンダンサーは近親にあたる良血馬だ。

 「なかなか手に入らない血統だけに、牧場としても期待していた繁殖牝馬です。バゴとの相性がよかったのかもしれませんが、こういう血統馬が当ファームに来てくれたことが嬉しい。関係者に頭が下がる思いです」と感謝している。

 そんな田沼場長にとって嬉しいことが2つ。「八木オーナーが生産馬で重賞競走を勝ってくれたことはもちろん嬉しいのですが」と前置きしたあとで、ジョッキー時代から親交がある千田輝彦調教師の重賞初勝利に少なからず貢献できたこと。それから、この勝利の翌週に半姉のタガノビーンズ(父チチカステナンゴ)が2勝目をあげてくれたこと、の2つをあげてくれた。

 「実は、タガノアザガルが重賞を勝ったけれども、母ライアメロディーにとってタガノアザガルが最後の産駒。後継繁殖牝馬がいなかったのです。これでタガノビーンズは胸を張って牧場に戻ってこれますね」と目尻をさげた。

 この春も、同ファームでは40頭前後の産駒が出産予定。牧場にとって忙しい春になりそうだが、タガノアザガルと同期のタガノエスプレッソもデイリー杯2歳S(G2)に勝利して、弥生賞(G2)3着。クラシックシーズンに向けて楽しみな春となっている。「競馬場には行けないと思いますが、その分、ここから応援します」と期待している。