2015年02月22日 フェブラリーS G1
優勝馬:コパノリッキー
プロフィール
- 生年月日
- 2010年03月24日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:16戦9勝
- 総収得賞金
- 995,144,000円
- 母 (母父)
- コパノニキータ by ティンバーカントリー(USA)
- 馬主
- 小林 祥晃
- 生産者
- ヤナガワ牧場 (門別)
- 調教師
- 村山 明
- 騎手
- 武 豊
今年最初のG1競走「フェブラリーS(G1)」に出走したコパノリッキーは、生産者であるヤナガワ牧場の梁川正普社長の心配をよそに強い勝ち方でG1レース2連覇を達成した。
梁川社長は「強い相手がレースを回避したので、チャンスは広がったと思いましたが、昨年、この馬が勝ったときは16番人気。出走してくる馬すべてが強敵だと思っていました。ですから、人気に応えることができて嬉しいというよりも、ホッとしたというのが本音です。オーナーや調教師の先生方の期待に応えてくれて本当に良かった。」と電話越しに喜びを語った。優勝の喜びにひたる間もなく公務で東京、函館と牧場との往復が続き、牧場に戻ればお産のシーズンで寝る間も無く動き回っていた。そのため、取材も予定が延びて電話でお願いした程だった。
「これからも無事に走ってもらいたい。」と東海ステークス(G2)の優勝時に語っていた梁川社長だが、好事魔多しの例えどおりに、レース後、本馬の骨折が判明した。忙しい合間にも調教師の先生方と連絡を取り続け「幸いに軽度なので、半年も休養すれば、また、レースに出られそうですよ。今はあまり心配していません。」といつもの落ち着いた口調で現況を教えてくれた。
後日、社長不在のヤナガワ牧場に行くと、先代で、父親の正克さんに迎えて頂きお話を伺うことができた。正普社長が「まだまだ、二人三脚です。父の存在は大きい。」と語っていた人だ。
獣医師でもある正克さんは「うちは大きい牧場でも無いし、4つ目のG1が取れたのは、嬉しい限りですよ。牧場を経営するというのは大変な仕事で、馬を売る事は難しい。(この優勝で)少しでも馬主さんたちに牧場の名前が知られたら有りがたいですよ。」と今までの苦労を想い出すように語してくれた。
さすがに獣医さんだけに骨折の状況も把握している様子で、元気に復帰することを待ち望んでいるようだ。
本馬の母コパノニキータ(父ティンバーカントリー)の3代母がアリ―ウイン(米国産)。父正克さんがケンタッキーで導入した繁殖牝馬で、ウェディングケーキ(福島民友Cなど)やヒガシブライアン(サンライズペガサス(大阪杯(G2)2回、毎日王冠(G2)、天皇賞(秋)(G1)3着)の母)の母となるなど牧場の大事な基礎牝系となっている。
牧場を正普社長に託した父正克さんは「今回も息子(正普社長)が競馬場に行き、私は留守番役でした。すでに対外的な事はすべて息子に任しています。私は馬の健康状態などを診ていますが、生産の世界も変わっていますから、今の流れで仕事を進めるのが良いですよ。」と言う。今回の本馬の活躍に正普社長への信頼感も高まっているようだ。
今年のG1初戦となるこのレースに、正普社長は奥さんと子供二人を同行した。親子でG1優勝の手綱を持ち記念写真が撮れるのは稀なことだ。喜んでいたという子供の姿を見て、正普社長は早くも次世代の後継者の姿を見取ったのかもしれない。3代継がれるヤナガワ牧場には、親子の強い絆のあることが伺われる。
本馬が早く回復し、秋のダート王に挑戦できることを牧場全員で願っている。