2015年02月01日 シルクロードS G3
優勝馬:アンバルブライベン
プロフィール
- 生年月日
- 2009年02月17日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:26戦8勝
- 総収得賞金
- 193,688,000円
- 母 (母父)
- チェリーコウマン by スプレンデイドモーメント(IRE)
- 馬主
- 伊藤 信之
- 生産者
- フジワラフアーム (静内)
- 調教師
- 福島 信晴
- 騎手
- 田中 健
春の短距離G1・高松宮記念(G1)の前哨戦、シルクロードS(G3)は、2番人気の6歳牝馬、アンバルブライベンが鮮やかな逃げ切り勝ち。京成杯(G3)につづく重賞2勝目を飾った。
本馬を生産したのは新ひだか町のフジワラファーム。00年のフェブラリーS(G1)勝ち馬ウイングアロー、07年全日本2歳優駿(Jpn1)を制したイイデケンシンなどのG・Jpn1馬のほか、福島牝馬S(G3)を二連覇したオールザットジャズ、昨年の函館2歳S優勝馬アクティブミノルなど、幅広いジャンルで重賞馬を輩出。もちろん、アンバルブライベンの母チェリーコウマンも同ファームが送り出した重賞勝ち馬の1頭だ。
前回の重賞初勝利からわずか2か月、藤原俊哉代表は「そんなに新しい話はないよ」と言いつつ笑顔で迎えてくれた。
レース当日は多忙な仕事の合間を縫って京都競馬場に駆けつけたそうで「京都はコースが合ってるし、夏から使い続けている割に疲れてる感じはなかったから、状態は良く見えました。相手もだいたい一度当たってるメンバーですしね」と期待を持ってレースに臨んだ。結果は危なげない逃げ切り勝ちだったが「外からすごい勢いで来てる馬もいたし、ゴールを通過するまでは交わされるんじゃないかってヒヤヒヤしました。逃げ馬は心臓に悪いね。オーナーさんとは長い付き合いですし、喜んでくれてる姿を見れたのが一番嬉しかったです」と笑った。
チェリーコウマンの3番仔、マイマスターピースからずっとこの血統を追い続けているというオーナー。「マイマスターピースはG1をとれる逸材でしたが、怪我に泣かされ大成できませんでした。うちで生産した最後の仔で重賞をとれて本当に良かったと思います」と藤原代表が話すように、母チェリーコウマンはアンバルブライベン出産後、余生を過ごす準備のため近隣の朝野牧場に移動している。繁殖引退の予定が、良い発情を見せたためその後2頭の産駒を出産、現在は功労馬として1歳馬と同じ放牧地で過ごし、リードホース的な役割を果たしているそう。
16頭の子供を育てた肝っ玉母さんのチェリーコウマン。子育てしている時が一番生き生きとしていてそれが若さの秘訣だろうと話す繁殖スタッフの伊東正和さんは「子煩悩だけどダメなことはダメ!と叱ることのできるお母さんです。若い頃はそうでもなかったけど、歳をとるごとに子供へのベタベタ度が上がっていった印象ですね。アンバルブライベンのことは可愛がって可愛がって、ちょっと姿が見えないだけでも鳴いて呼び戻していました。離乳の後はご飯も食べれなくなるくらいで、本当に可愛かったんだと思います」とエピソードを明かしてくれた。
母の大きな愛に包まれて成長したアンバルブライベン。血を繋ぐ大事な役目が待っている6歳牝馬に、残された現役生活はあまり長くはないだろう。「G1になれば今の相手関係より強くなりますし、中京は3回走って良い成績を残せてないからコースに不安がありますね。でも、この勢いで頑張って欲しい、無事に競走生活を過ごして欲しい。生産牧場としてはそれだけですね」。大きな勲章を持って故郷に戻ってくる日を心待ちにしたい。