重賞ウィナーレポート

2015年01月12日 フェアリーS G3

2015年01月12日 中山競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ノットフォーマル

プロフィール

生年月日
2012年03月17日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:8戦2勝
総収得賞金
91,777,000円
ヴァーミリアン
母 (母父)
リミッターブレイク  by  マンハッタンカフェ
馬主
芳賀 克也
生産者
千代田牧場 (静内)
調教師
中野 栄治
騎手
黛 弘人

   2歳牝馬限定の芝1200m重賞だったフェアリーS(G3)が3歳1月芝1600m戦へと条件変更されて、今回で7回目。そのわずか6回の歴史の中で、優勝馬から桜花賞(Jpn1)3着のジェルミナルやフラワーC(G3)2着のコスモネモシン、アネモネS優勝のクラウンロゼなどを送り出して“出世レース”となったフェアリーS(G3)。今年は、新ひだか町の千代田牧場による生産馬ノットフォーマルが積極的な先行策からそのまま押し切って先頭ゴールイン。1分35秒2(良)で重賞初勝利を記録した。生産した千代田牧場にとっては、昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)(優勝馬ダノンプラチナ)に続く重賞勝利。同牧場の3歳世代はほか、コメート(ホープフルS(G2)2着)などもおり、今春のクラシック戦線は牡馬、牝馬ともに千代田牧場生産馬から目が離せない。

   ノットフォーマルは、近年、売上を飛躍的に伸ばしている千葉サラブレッドセール「2歳トレーニングセール」の取引馬で、同セールの取引馬として初のJRA重賞勝馬となった。

   昨年5月19日に船橋競馬場で行われた同セールの公開調教では2頭併せのインコースを進み、軽く仕掛けられただけで12秒5~11秒8。2ハロン計測で全59頭中5番目の時計となる24秒3をマークして、高い能力をアピールした馬だった。

   同馬を生産、育成した千代田牧場の飯田社長はノットフォーマルについて「このファミリーはダイワバーバリアン(NHKマイルC(G1)2着、ニュージーランドトロフィー(G2)2着、朝日杯フューチュリティS(G1)3着)やストロングガルーダ(ラジオNIKKEI賞(G2))、あるいは名種牡馬シーキングザゴールド等が出ているようにスピードがあるファミリーなのです」と話し、ノットフォーマルについても「牧場時代から頭が軽くて、クビさしのきれいな馬で、育成に入ってからも、動きの良さが目立つ馬でした。とくにダクからキャンターに移るときに、とてもスムーズな動きをしていたのが印象に残っています」と話してくれた。

   なお、昨年の同セールで千代田牧場から上場された馬たちは好タイムを連発。売却した8頭中7頭が2歳戦でデビューし、うち5頭がJRAの2歳戦で勝利するなど強烈な印象を残している。

   ノットフォーマルも夏の函館競馬でデビュー。2戦目に勝ちあがると、クローバー賞2着、きんもくせい特別3着など実績を積み上げてJRA重賞初挑戦で初勝利となった。

   飯田社長は「セールにおける上場順は後半でしたが、この馬を気に入っていただいたオーナーに感謝します。このまま無事にクラシックの舞台を踏んでくれることを期待します」とコメント。

   また、この勝利は日本競馬史上最多となるG1/Jpn1 9勝をあげた父ヴァーミリアンにとっても、JRA重賞勝利第一号。父同様に早い時期から重賞競走に勝利した愛娘はこのあと一息いれて桜花賞(G1)に挑むことが報道されており、春、桜の花が咲き乱れる頃には、さらにパワーアップしたノットフォーマルに会えるかもしれない。