2014年11月03日 JBCスプリント(中央交流) Jpn1
優勝馬:ドリームバレンチノ
プロフィール
- 生年月日
- 2007年02月22日 07歳
- 性別/毛色
- 牡/青毛
- 戦績
- 国内:37戦11勝
- 総収得賞金
- 494,838,000円
- 母 (母父)
- コスモヴァレンチ by マイネルラヴ(USA)
- 馬主
- セゾンレースホース (株)
- 生産者
- ビッグレッドファーム (新冠)
- 調教師
- 加用 正
- 騎手
- 岩田 康誠
盛岡競馬場で行われた第14回JBCスプリント(Jpn1)は、ダートのスピード自慢16頭によって行われ、新冠町ビッグレッドファーム生産の2番人気ドリームバレンチノが優勝。直前のJBCレディスクラシック(Jpn1)を勝利した岩田康誠騎手を背に、直線での3頭の叩き合をクビ差制し、悲願のJpn1初勝利となった。
ビッグレッドファームの蛯名聡マネージャーは、テレビでレースを観戦していたという。「強豪相手ですから2着にでもきてくれたらと、わりと気軽に見ていました。3~4コーナーの手ごたえを見てやっと、もしかしたら勝つかもしれないと思いました」とその時の気持ちを話す。「牧場時代は至極順調に成長したので特に目立った印象はないですが、幼い頃からスピードのありそうな馬だとは思っていました。ある程度は活躍してくれるだろうとは思っていましたが、Jpn1レースをとってくれるまでになるとは」と笑顔を見せた。
本馬は父ロージズインメイ、母コスモヴァレンチ、母父マイネルラヴとビッグレッドファームならではの血統。「今は血統が良くないと勝てないので、種牡馬と繁殖牝馬の質を上げることを目指している」と牧場の方向性を示すように、近年種牡馬部門にも力を入れているビッグレッドファームにとって、父ロージズインメイのG1勝利は嬉しいものとなった。立派な筋肉とパワーのありそうな馬体から、一見ダート馬というイメージを持たれがちなロージズインメイ。しかしドリームバレンチノでも実証されているように、芝でもダートでも走り、先行力があり小回りがきく産駒が多い。馬産地では「受胎率が良く安定している」と評判だ。「これだけ堅実に走るのに、大物感のある馬が少なかったせいか、あまり評価が上がらなかった」と、2014年度の種付け頭数97頭に、蛯名マネージャーは少々悔しさを滲ませる。しかし、種付けシーズンを前に晴れてG1馬の父となったロージズインメイに「良いタイミングで勝ってくれた」と、笑みをこぼした。
ビッグレッドファームは、多くの有名馬を輩出し、現在繁殖牝馬だけでも170頭程を所有、絵のような景観が広がる大牧場だ。新冠町の明和にある事務所を訪ねると、廃校になった小学校を利用した可愛らしい建物が出迎えてくれる。「場内をきれいに保つ、お客様に喜んでもらう。それは自分たちが楽しく仕事することに繋がる」と蛯名マネージャーは従業員に常々言っているそうだ。どこからが公道なのかわからないほど広大な場内であるが、この季節なのに道に落ち葉がなく、芝がきれいに刈られ、どこをとっても整備されていた。つまり、その管理や作業を行う従業員隅々にまで教育が行き届いているということではないだろうか。岡田繁幸氏からの牧場方針を下に、熱意ある蛯名マネージャーをはじめ、こうした従業員に囲まれていることが、強い馬づくりに繋がっているのかもしれない。
ドリームバレンチノの次走は、黒船賞(Jpn3)が予定されている。丈夫で健康な馬づくりというビッグレッドファームのモットーを地でいく本馬は、古馬になった今もコンスタントに重賞を勝ち続けている。今後も無事に、息の長い活躍をしてくれることを期待したい。