重賞ウィナーレポート

2014年09月07日 小倉2歳S G3

2014年09月07日 小倉競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:オーミアリス

プロフィール

生年月日
2012年04月12日 02歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
35,530,000円
ホワイトマズル(GB)
母 (母父)
ポットアカデミー  by  ロイヤルアカデミー2(USA)
馬主
岩崎 僖澄
生産者
松木 加代 (新冠)
調教師
藤沢 則雄
騎手
国分 優作
  • 母ポットアカデミーと松木加代さん
    母ポットアカデミーと松木加代さん
  • 19歳になる母はゼンノロブロイを受胎している
    19歳になる母はゼンノロブロイを受胎している
  • ポットアカデミーの2013(牝、父マーベラスサンデー)
    ポットアカデミーの2013(牝、父マーベラスサンデー)
  • 元気一杯の当歳馬たち。写真中央がポットアカデミーの2014(牝、父ダンスインザダーク)
    元気一杯の当歳馬たち。写真中央がポットアカデミーの2014(牝、父ダンスインザダーク)

 小倉競馬の2歳王者を決めるスプリント戦、小倉2歳S(G3)は、15番人気のオーミアリスがメンバー中最速の34.3秒の末脚を繰り出し優勝。2戦2勝で小倉の女王に輝いた。

 オーミアリスを生産したのは、新冠町にある松木加代さんの牧場。御料牧場に勤務していた祖父の清水金太郎さんがこの地に牧場を開拓したことからはじまり、2代目となる父清水克則さんの生産馬では2006年のキーンランドC(G3)勝ち馬チアフルスマイルなどがいる。2011年から娘の松木加代さんが3代目として牧場を切り盛りしている。

 レース当日は札幌競馬場に用事があり、モニター観戦だった。「競馬場でバタバタしていてパドックを見逃すわ、レースも集中して見れなかったんです。でもゴール直前凄い脚で追い込んで来たのは確認できて、思わず声が出ました。新馬戦も写真判定の末1着同着でしたし、確定するまでの時間が長く感じました。本当はもっとゆっくり応援したかったんですけどね」と牧場を引き継いでから初めての重賞制覇を振り返った。

 本馬の母、ポットアカデミーは、半兄に1990年の朝日杯3歳S(G1)勝ち馬のリンドシェーバーがいる血統。オーミアリスは母の9番仔としてこの世に生を受けた。

 「ポットアカデミーは扱い易い馬で、子供たちも同じように素直な子ばかりです。他の馬に対して意地悪をしたり威張ったりするタイプではないけど、自然と放牧地ではナンバー2くらいの地位を保っていますね。芯の強い馬なんだと思います」と教えてくれた。当歳時のオーミアリスについては「男馬並みに馬格があり、見映えのする馬でした。これは走ってくれるんじゃないかと期待していた1頭なんです」と当時から才能の片鱗を感じていたそうだ。

 1歳秋に育成牧場へ移動してからも岩崎オーナーとの連絡を密に取り、オーミアリスのことを気にかけていたと言う加代さん。「うちの牧場生産のシンボリクリスエス牡馬(マインリーバー)の方が評価が高かったようで、アリスのことはあまり話題に上りませんでした。いい馬だったのになと意気消沈した時期もあったんです」。しかし、トレセンへ入厩する頃には本来の輝きを取り戻し、重賞制覇まで登り詰めて行った。

 「期待していた馬が期待通りの活躍をしてくれるのは本当に嬉しいです。まだ2歳、これからの馬ですから、怪我なく更に上を目指して頑張って欲しいです」と若き女性牧場主は笑顔を広げていた。