重賞ウィナーレポート

2014年08月31日 キーンランドC G3

2014年08月31日 札幌競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ローブティサージュ

プロフィール

生年月日
2010年01月28日 04歳
性別/毛色
牝/青毛
戦績
国内:13戦3勝
総収得賞金
172,316,000円
ウォーエンブレム(USA)
母 (母父)
プチノワール  by  Singspiel(IRE)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
須貝 尚介
騎手
三浦 皇成

   2歳時、僅か3戦のキャリアでG1馬となった早熟の天才少女は、多くの温かい人の眼差しに囲まれながら、ついにスプリントの舞台で復活を遂げた。

   今年のキーンランドC(G3)。前走、初の芝1200Mのレースとなった函館スプリントS(G3)で2着となったローブティサージュは、ここでも卓越したスプリント適性を発揮し、2着馬をクビ差抑えて優勝。2歳時の阪神JF(G1)以来、約1年8ヶ月ぶりの勝利をあげた。

   「3歳の夏など、レースの合間ごとに牧場へは戻ってきてくれていたのですが、2歳時から感じていたように、まだ芯が入りきって無く、競走馬として完成を迎えるのは、まだ先になると感じていました」とはローブティサージュの育成調教を手がけた、ノーザンファーム空港牧場の窪田淳調教主任。阪神JF(G1)におけるゴール前での伸びが示しているように2歳時から気持ちの強さが目立っていたというローブティサージュ。だがその一方で、今後は心身共に成長していかなければ、他の同世代の馬に追い越されるのではという気持ちも窪田主任は持っていた。

   「今年もヴィクトリアマイルの後に牧場で調整を行ってきたのですが、正直、まだ幼さは残っていました。ただ、気性が前向きだったので、初めてと言えどもスプリントの条件ならば力を出せるのではと思っていたのは事実でした」(窪田主任)

   その函館スプリントS(G3)では僅差の2着。次走はキーンランドC(G3)となることが決まり、改めて牧場で調整されることとなったローブティサージュだが、その際、窪田さんはある変化を感じとっていた。

   「ついこの間、牧場にいたときよりも背中がしっかりとしていました。またここでも多少うるさい面を見せることもあったのですが、精神的な成長も感じとれました」(窪田主任)

   デビュー以来、函館競馬場では2戦してメイクデビューの勝利を含む2連対と、洋芝適性も証明されており、また、牧場でしっかりと乗り込めたことも手伝って、自信を持って迎えられたキーンランドC(G3)。そこでついにローブティサージュは今の自分が最も力を発揮できる舞台を、勝利という形で掴み取る。

   「流れが向いたこともありますが、位置取りも上手でした。この勝利は三浦騎手や、厩舎スタッフを含めて、みんなが一丸となった中で掴んだ勝利だとも思いますし、改めて関係者の皆さん全てに感謝したいです」(窪田主任)

   この後は10月5日に新潟競馬場で行われるスプリンターズS(G1)の出走を予定。レース毎に成長を遂げているような今のローブティサージュなら、惑星馬どころか、人気的に本命馬として踊り出ても不思議ではないような気がしてくる。

   「今のローブティサージュなら、強豪がひしめくスプリンターズSと言えども、恥ずかしくないレースができると思います。それだけにいい状態でレースに臨んでもらえたらと思います」(窪田主任)