重賞ウィナーレポート

2014年07月20日 函館記念 G3

2014年07月20日 函館競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ラブイズブーシェ

プロフィール

生年月日
2009年03月24日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:23戦6勝
総収得賞金
219,653,000円
マンハッタンカフェ
母 (母父)
ローリエ  by  メジロマックイーン
馬主
小林 祥晃
生産者
小池 博幸 (荻伏)
調教師
村山 明
騎手
古川 吉洋

   サマー2000シリーズの第2弾「第50回函館記念(G3)」は浦河町の小池博幸さん生産のラブイズブーシェが後方5番手待機から、3コーナー過ぎからのロングスパートで優勝。7回目の重賞挑戦で重賞初勝利。通算成績を23戦6勝とした。

   小池牧場は祖父の熊太郎さんが1956年に創業。父の勝義さん、現代表の博幸さんと3代続く家族経営の牧場だ。その歴史の中でオンワードボルガ(85年JRA最優秀障害馬)、アサカツービート(87年天皇賞(秋)(G1)3着)、ミッキーベル(04年ダイヤモンドS(G3)2着)、クリノロイヤル(87年京浜盃)、ダンシングスキー(05年九州ダービー栄城賞)、メイレディ(12年ル・プランタン賞、同兵庫ダービー)などを生産してきた。

   今回は、自宅テレビでレースを見ていたという小池さん。「調子は良さそうだと聞いていましたが、家族だけの牧場ですからなかなか空けることができずに牧場での応援となりました」とやや残念そうに話してくれた。

   それでも「これまでも惜しい競馬はいくつかありましたが、JRAの重賞はなかなか手が届きませんでした。自分のような生産牧場には縁がないのかなと思って諦めかけていましたので本当に嬉しいです」と声を弾ませ「直線に向いて先頭にたったとき、もしかしたらと思いましたが、やはりゴールするまでは安心できませんでした。(今年、G1レースを2勝している)馬主さんから勢いをいただいたものと感謝しております」と声を弾ませた。

   牧場時代のラブイズブーシェは「(JRAで4勝をあげた)ハリーアップの全弟ですから、生まれる前から期待の大きな馬でした。少し薄手で背が高く、バネがあるあたりは父親であるマンハッタンカフェに似たところがあった馬ですが、デビューしたあとはなかなか勝てずに心配しました」というように2歳秋にデビューしたラブイズブーシェは、途中脚部不安による休養をはさみながら6戦して2着3回3着2回。デビュー2戦目にはブライトラインの2着などもあり、一度も掲示板を外さない堅実性を持ち合わせていたが、勝ちきれずに未勝利戦が終了してしまった。「普通なら、地方競馬からの再出発となるのでしょうが、そのままJRAに在籍して500万下特別で初勝利をあげました。あのときは嬉しいというよりもほっとしたというのが正直な気持ちでしたが、まさかその年の暮れに有馬記念に出走できるとは思わなかったです。この馬の成長力にびっくりすると同時に、オルフェーヴルと同じレースに出走できたことも本当に嬉しかったです」と相好を崩した。

   そして、この勝利で秋は堂々とG1路線を歩むはず。

   「馬主さんや厩舎関係者など、この馬にたずさわった方々に感謝です。未勝利戦を勝てない馬でも重賞競走に勝てるということを、この馬に教えてもらいました。これからもケガなどしないように長く頑張ってほしい」と期待している。