重賞ウィナーレポート

2014年06月22日 ユニコーンS G3

2014年06月22日 東京競馬場 曇 稍重 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レッドアルヴィス

プロフィール

生年月日
2011年02月14日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
114,942,000円
ゴールドアリュール
母 (母父)
チャールストンハーバー(USA)  by  Grindstone(USA)
馬主
(株) 東京ホースレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
安田 隆行
騎手
蛯名 正義

 ユニコーンS(G3)の勝ち馬となったレッドアルヴィスの半兄は、デビューからの連勝でNHKマイルカップ(G1)を優勝したカレンブラックヒル。ノーザンファーム空港牧場の高見優也厩舎長は、兄カレンブラックヒルだけでなく、弟のレッドアルヴィスの育成調教も手がけてきた。

 「芝向きの柔らかな走りをしていた兄と比べると、父がゴールドアリュールであるレッドアルヴィスは堅さも見られたのですが、その分、豊富な筋肉量のある馬体から繰り出される走りには力強さが感じられました」(高見厩舎長)

 その頃は芝でもこなせないことはない、と思っていた高見厩舎長ではあったが、2歳7月、芝1600mのメイクデビュー中京で2着、2戦目の芝1800mの未勝利に敗れると、その後、レッドアルヴィスはダートに戦いの場を移していくことになる。

 「早い時期のデビューが叶ったように、牧場では順調に調整も進められていました。デビュー戦では見所のあるレースをしてくれたのですが、その後、あっさりとダートで勝ち上がっていたところを見ると、やはり父の良さが強く出ていたのかなとも思いました」(高見厩舎長)

 本当に完成するのは、古馬になってからと思っていたレッドアルヴィスではあったが、3歳2月のヒヤシンスSで6着となったとき、早い時期に重賞を沸かすような馬になれるのではとの思いを、高見厩舎長は持ち始める。

 「結果は6着といえ上がりの脚も速かったですし、展開次第ではまだ前に来られたのではと思えたほどの内容でした」(高見厩舎長)

 その後、古馬を相手とした三浦特別では、初の不良馬場で前が飛ばす激しいレース展開の中、2番手に先行して直線でも粘って4着に入着。前走のレース内容、そしてここまで堅実な結果を残してきたことが評価されユニコーンS(G3)では3番人気の評価を受ける。

 「レースはTV観戦していました。道中は外を回される展開となりましたが、それでも直線での手応えが他の馬と違っていたので、これは勝ち負けの競馬になると思えました」(高見厩舎長)

 逃げ粘っていたコーリンベリーを交わしたレッドアルヴィスの脚色に陰りは無かった。先頭に立つとセーフティリードを保ったままでゴール。兄カレンブラックヒルに続く、兄弟重賞制覇を見事に果たして見せた。

 この後、陣営はレパードS(G3)への出走を表明。重賞連勝を目指すことになった。「ダート戦線は賞金を加算していかないと、レース選択が難しくなっていくので、ここでもいい結果を残してくれればとの思いは強いです」と高見厩舎長。

 そう話した後、思い出したかのように、「半弟となるチャールストンハーバーの2013(牡、父ダイワメジャー)が、今年のセレクトセールの1歳セクションに上場されるのですが、セールを前に血統的評価を上げることをできたのは嬉しいですね」と笑顔で話してくれた。カレンブラックヒルの全兄弟にも当たるチャールストンハーバーの2013だが、そこにレッドアルヴィスの評価も加味されることで、セールでは話題の1頭となっていきそうだ。