2014年04月28日 留守杯日高賞(GDJ)
優勝馬:コパノバウンシ
プロフィール
- 生年月日
- 2011年03月24日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:11戦4勝
- 総収得賞金
- 7,695,000円
- 母 (母父)
- トリックアート by ダンスインザダーク
- 馬主
- 小林 祥晃
- 生産者
- 伊藤 敏明 (静内)
- 調教師
- 松浦 裕之
- 騎手
- 矢野 貴之
『グランダム・ジャパン』3歳シーズン第5戦「留守杯日高賞(水沢)」は、笠松から4頭、南関東から2頭の遠征馬を地元勢6頭が迎え撃つ一戦となったが、大井競馬所属のコパノバウンシが1番人気の支持に応え、2着馬に4馬身をつける快勝を収めた。
コパノバウンシの生産者は、新ひだか町静内浦和の伊藤敏明さん。1974(昭和49)年に牧場を創業し、過去には2010年のユングフラウ賞(浦和)を制したバックアタックなどの活躍馬を生産。また、コパノバウンシの半兄に当たるハカタドンタク(父フレンチデピュティ)も同牧場の生産馬で、岩手競馬の重賞を3勝するなどの活躍を見せている。
「レース前は無事に走ってくれれば、という思いで見ていました。小回りコースですから、スムーズに前々で競馬できたことが勝利につながりましたね。前走は惜しくも2着に敗れていたので、今回は勝つことができて嬉しいです」と喜びのコメントを寄せてくれた伊藤敏明さん。「忙しい毎日を送っていますが、本当に励みになる走りでした」と、奥さまの淳子さんも声を弾ませる。
「とても丈夫な馬で、順調に育ちました。気性はおとなしく、少し短めの脚はサウスヴィグラス産駒の傾向が出ましたね」とコパノバウンシの牧場時代を振り返る敏明さん。約1年間を牧場で過ごしたが、当時は“マナちゃん”という愛称で呼ばれていた。つぶらな瞳と従順な性格が、人気子役の芦田愛菜ちゃんを連想させることから、淳子さんがそう名付けたそうだ。「半兄のハカタドンタクは大きな馬で、力士の琴欧州からとって“オーシュウ”と呼んでいました(笑)。それとは対照的に“マナちゃん”は小さかったのですが、走るのが大好きな仔で、当歳時から放牧地を走りまわっていた光景を思い出します」と淳子さんも懐かしげに話してくれた。
コパノバウンシの母トリックアートは社台ファームの生産馬で、2001年のセレクトセール取引馬。半兄に愛知杯(G3)の覇者サクラエキスパートがいる良血馬で、当歳時に945万円(税込)で落札されている。美浦の小島太厩舎からデビューし、競走成績は15戦1勝だったが、繁殖牝馬としてハカタドンタク、コパノバウンシの兄妹がつづけて重賞馬となり、父ダンスインザダーク×母父ノーザンテーストの底力を花開かせた。「トリックアートは現在も元気に繁殖生活を送っています。今年は芝適性の高い仔を狙い、ジャングルポケットを交配しました」と殊勲の母を紹介。コパノバウンシの1歳下には父にコパノフウジンを持つ2歳牝馬(馬名キモンイーグル)がいて、兄ハカタドンタクと同じ水沢・板垣吉則厩舎へ所属し、岩手競馬からデビューする予定だ。
「これからも無事に、息長く走ってくれることを願っています。家族経営なのでなかなか現地まで応援に行けませんが、北海道の競馬場で走ることがあれば応援に駆けつけたいですね。そして将来は、牧場に帰ってきて欲しいです」と愛馬にエールを送る伊藤ご夫妻。今年に入ってフェブラリーS(G1)(コパノリッキー)、高松宮記念(G1)(コパノリチャード)、北斗盃(ラブミーブルー)、かしわ記念(Jpn1)(コパノリッキー)と、飛ぶ鳥を落とす勢いのDr.コパさん所有馬。その勢いに乗って、ハカタドンタク&コパノバウンシの兄妹が、さらに大きな舞台で飛躍してくれることに期待したい。