2014年04月19日 アンタレスS G3
優勝馬:ナムラビクター
プロフィール
- 生年月日
- 2009年05月16日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:15戦7勝
- 総収得賞金
- 246,936,000円
- 父
- ゼンノロブロイ
- 母 (母父)
- ナムラシゲコ by エンドスウィープ(USA)
- 馬主
- 奈村 信重
- 生産者
- いとう牧場 (門別)
- 調教師
- 福島 信晴
- 騎手
- 小牧 太
芝ダートを含めた過去のG1勝ち馬・好走馬が揃い、ハイレベルなメンバー構成となったアンタレスS(G3)は、4度目の重賞挑戦となったナムラビクターが早目先頭から凌ぎ、ダート界の新星として頭角を現した。
本馬の生産は日高町のいとう牧場。家族経営の牧場で、このコーナーでは今年春、オーシャンS(G3)を制したスマートオリオンで紹介したばかりだ。過去には20年前のNHK杯(G2)を制したナムラコクオーをはじめ、芝ダートのマイル~中距離路線で活躍したナムラホームズ、G2で僅差2着の結果を残すビウイッチアス、そして、今年の高松宮記念(G1)に駒を進めたスマートオリオンらを生産している。
「重賞を勝つことができて嬉しいです。G1馬のニホンピロアワーズが出走していましたし、こちらは胸を借りる立場だと思って見ていました。ゴール間際2着馬に詰め寄られてハラハラしましたが、斤量差もあったとはいえ強い内容でしたね。上り調子で、勢いもあったでしょう。レース後は沢山のお花やお電話をいただき、本当にありがたく思っています。3月に続いて、また別の生産馬での重賞勝利となりました。今回は牧場で築いているケイジョイナーの血統で勝てたので、また違った喜びがあります。」と、レースの感想を語ってくれたのは、同牧場代表の伊藤真継さん。出産・種付けで多忙な合間を縫い、レースは自宅でテレビ観戦していたという。なかなか息つく暇のない毎日にあって、この上ない励みとなるシーンが、再び画面から押し寄せてきた。
ゼンノロブロイ産駒の本馬は、母ナムラシゲコの2番仔として誕生した。牧場時代はケガもなく、1歳秋まで順調に過ごしたという。「母同様、気性の強いタイプで、群れの中でも目立っていました。500kgを超す馬体に成長したように、当歳時からわりと大きな馬でしたね。」と、伊藤さんは振り返る。
今年12歳となる母ナムラシゲコはエンドスウィープの肌。祖母はナムラコクオーの母で、同牧場から牝系を広げるケイジョイナーだ。現役時代はJRA・芝で勝利をあげ、牧場へ里帰りした。繁殖牝馬としてはこれまで7頭の仔を出産している。
「ケイジョイナーの後継牝馬は牧場に4頭いて、そのうちの1頭がナムラシゲコです。気性面で扱いに苦労することはありますが、健康に過ごしています。今年は父ゼンノロブロイの牡馬を出産しました。1歳は父エンパイアメーカーの牡馬で、なかなか迫力ある馬体をしています。ともにデビューを楽しみにしています。」と、紹介する。本馬の重賞制覇も後押しに、今年もナムラシゲコはゼンノロブロイの交配を予定している。
層の厚いダート路線にあって、中身の濃い勝利を成し遂げた本馬。伸び盛りのムードだけに、これから中心的存在へと躍り出る可能性を十分秘める。G1デーに沸く競馬場を駆け抜ける姿を、伊藤さんが見届ける日も近いだろう。「競馬は何があるかわかりませんから、これからもとにかくケガなく、無事に走ってきて欲しいと思います。賞金を加算できましたし、大きな舞台を目指して欲しいです。忙しい時期の現地応援は難しいですが、秋のG1出走となれば行きたいと思います。」