2014年03月16日 中山牝馬S G3
優勝馬:フーラブライド
プロフィール
- 生年月日
- 2009年05月09日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:28戦6勝
- 総収得賞金
- 195,542,000円
- 馬主
- 吉田 和子
- 生産者
- 青藍牧場 (登別)
- 調教師
- 木原 一良
- 騎手
- 酒井 学
春の女王決定戦ヴィクトリアマイル(G1)へ向かう重賞なステップレース第32回中山牝馬ステークス(G3)は、レースの前半は後方でスタミナを温存していた1番人気のフーラブライドが直線で目の覚めるような末脚を発揮して優勝。昨年暮れの愛知杯(G3)に続いて重賞2勝目をあげた。
競馬場で生産馬の勝利を目の当たりにした青藍牧場の田中芳郎代表は「前走で牡馬の一線級を相手に厳しいレースをしていましたので、マイナス10キロの馬体重を聞いたときは疲れを心配しましたが、パドックで見たフーラブライドは疲れているようには見えませんでした。昨年夏の函館で見たときの印象とはまるで違う馬でした」と当時から大きく減らした馬体重とは裏腹に、たくましさを増した馬に頼もしさを感じたという。「5月生まれでもあり、牧場時代は華奢な印象が強かった馬です。ひとことで言えば、晩成だったということだと思っています」と感想を述べた。
それでも、示されたオッズが1番人気を示していたときは、正直心中穏やかではなかったという。「これまでのレース内容から、器用な脚を使える馬ではないというイメージがありましたので、レース前は、まさか1番人気になるとは思っていませんでした。それだけに、この馬に期待してくださった方々にご迷惑をかけずに、よかったです」と胸を撫で下ろし「馬に謝らなければならないですね」と少し照れながら笑顔を見せた。
それにしても、わずか半年前まで23戦して2勝しかあげられなかった馬が、その後の5戦で2つの重賞含み4勝。大変身には驚くばかり。
そんな青藍牧場は昭和45年、獣医師として活躍していた田中芳熊さんによってはじめられた。現在は2代目となる芳郎さんを中心に2世代の家族とスタッフ1名で12頭の繁殖牝馬を繋養している。2001年の新潟ジャンプS(JG3)を勝ったヒカルボシや1988年のフェブラリーH(G3)2着のニッポータイガー、あるいは1990年の神戸新聞杯(G2)3着のナエボオルフェなどを送り出してきたが、JRAの平地重賞優勝はフーラブライドが初めてのことになる。「青藍牧場という名前は、JRA発行の『優駿』誌の宇佐美編集長が付けてくださった名前だと聞いています。この勝利で少しでも恩返しができたなら嬉しい」といい、「フーラブライドの血統は、胆振地区の先輩方が大切に育ててきた血統。そういう意味でも嬉しいです」と喜んでいる。
そういえば、フーラブライドの母ヒカルカリーナは、話題のメジロマックイーン牝馬だ。「メジロ牧場さんとは距離も近いことから親しくさせていただいておりましたし、シンジケートにも声をかけていただきました。ウチの牧場にはもう1頭、ヒカルカリーナと同じ年のメジロマックイーン牝馬(セイランクイーン)もいるんです」と話してくれた。ヒカルカリーナは、残念ながら今年は産駒には恵まれなかったが、エーティータラント(現役2勝馬)など子出しのよい繁殖牝馬でとくにサンデーサイレンス系と相性が良さそうだ。
「今年はステイゴールドを配合する予定です」というから楽しみが広がる。