2014年03月16日 フィリーズレビュー G2
優勝馬:ベルカント
プロフィール
- 生年月日
- 2011年03月02日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 260,703,000円
- 母 (母父)
- セレブラール by ボストンハーバー(USA)
- 馬主
- (株) ノースヒルズ
- 生産者
- 土居 忠吉 (三石)
- 調教師
- 角田 晃一
- 騎手
- 武 豊
第48回報知杯フィリーズレビュー(G2)は、好位のインで折り合った2番人気のベルカントが直線内ラチ沿いから突き抜けるという大人びたレース振りで、激しい2着争いを尻目に先頭でゴールに飛び込んだ。昨年秋のファンタジーS(G3)に続く重賞2勝目。これまで逃げる競馬しかしてこなかった快速馬が、最高の形で本番桜花賞(G1)を迎えることになった。
ベルカントの生まれ故郷は新ひだか町の土居忠吉さんの牧場。50年ほど前に先代となる土居唯男さんが創業。現在は忠吉さんと、ご子息で後継者の正芳さんたちが本場と分場あわせて約30ヘクタールの土地と8頭の繁殖牝馬を使って、強い馬づくりに励んでいる。ベルカントが生まれた当時の牧場は土居忠吉さん個人の名前だったが、現在は次代をにらんで土居牧場へと名称変更も済んでいるそうだ。そんな50年に及ぼうという牧場の歴史の中で2007年のダイヤモンドS(Jpn3)3着のアドバンテージや、2013年の北九州記念(G3)2着馬ニンジャらを送り出してきた。
今回、忠吉さんは自宅のテレビで、正芳さんは阪神競馬場でオーナーサイドの関係者と観戦していたという。正芳さんは「将来のために、抑える戦法を試してみたいという話は聞いていましたが、競馬はなかなか人間の思うようにはならないもの。上手に折りあってレースを進めるのを見て嬉しかったですし、インコースから抜け出すときは正直驚きました。大山ヒルズや厩舎の方々のご苦労の結果だと思います。相手はさらに強くなりますが、こういう競馬ができるなら本番も楽しみです」と喜びを表現した。
ベルカントの母セレブラールも土居さんによる生産馬。もともとはノースヒルズマネジメントで繁殖生活を送っていたモンローウォークを牧場に迎え入れ、快速ボストンハーバーを配合。そうして生まれた馬だ。ダートの1200m戦で勝ちあがり、芝1200mで特別戦含む2勝。3勝をあげたあと土居さんの牧場に戻り、配合に際し選ばれた種牡馬はサクラバクシンオーだった。「期待の繁殖牝馬ですが、最初の子ですから、母の特徴をさらに伸ばせるようにと選びました」という狙いがズバリ。両親ゆずりのスピードを武器に、ベルカントはわずか5戦で母と同じ勝星に並んだ。
「3勝をあげたセレブラールを牧場に戻していただき、前田オーナーには感謝しております。ベルカントは当歳の11月まで牧場にいましたが、当時からアカ抜けた馬体の持ち主で、顔なんかにも品のある馬でした。期待を込めて送り出した馬ですが、初仔から、これだけの馬を生んでくれると楽しみが広がります」と夢を広げている。
今年は快速デュランダルの牡馬を生んだ。「見に来られた方々に褒めていただけるような馬です。姉に負けないような活躍を願っています」と目を輝かせている。